PCBsは強い毒性があるため日本では1970年代に製造等が禁止された。しかし、今なお日本近海の海洋生物中から検出されるほか、近年、北米大陸等では低塩素の非意図的に生成されたPCB異性体が大気や水等から検出されている。本研究では、日本近海等のスズキ類やサケ類等の魚類を対象に、非意図的に生成されたPCB異性体の探索を目的にPCB全異性体209種の超微量分析を実施した。その結果、これらの魚類から120~160種のPCB異性体が検出された。日本近海の魚類ではPCB製剤中でも多い#153等が優占していたが、マレーシアのバラマンディからは非意図的に生成された2塩素化体の#11が高い濃度で検出された。
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