研究課題/領域番号 |
23310028
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
田中 信行 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 地域研究監 (80353762)
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研究分担者 |
松井 哲哉 独立行政法人森林総合研究所, 植物生態研究領域, チーム長 (20414493)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 植物生態学 / 脆弱性 / 分布予測モデル / モニタリング / 地理情報システム(GIS) / 潜在生育域 / 植生調査 |
研究実績の概要 |
本研究は、温暖化が日本のシダ植物の種多様性へ与える影響を定量的に予測し、検出することを目的とする。将来の気候条件に基づく生育可能な場所(潜在生育域)と現在の分布を比較することによって、現在の分布がどのように変化するかを予想して現地調査を実施することにより温暖化影響の検出を目標とする。 本年は、ニュージーランドランドケア研究所のアンダーソン博士と共同で温暖化のシダ植物への影響予測に基づくシダ植物多様性の保全のための保護区の設計に関する論文を作成しており、近い将来の論文発表する計画である。 シダ類を含む植物の分布変化を把握するモニタリングシステムを北海道ニセコ山系で設定した。この地域は国定公園として保護区に指定されており、生物多様性保全上重要な地域である。標高200~1000mの異なる標高と地形部において30か所の植生調査プロットを設定し、植生調査を実施した。その結果、11種のシダ植物が出現した。シラネワラビ、オクヤマシダ、ホソバトウゲシバ、シノブカグマ、ヤマソテツ、オシダは出現頻度が高く、エゾメシダ、ゼンマイ、ヤマドリゼンマイ、シシガシラ、ジュウモンジシダは出現頻度が低かった。出現頻度の高い環境は、標高400m~800m、斜面中部から谷部、ササ類密生しない群落などであった。この植生調査プロットを再調査することにより、植物の分布変化を把握する。 今回の植生調査の過程で、ブナの北限(黒松内)以北のニセコ山系にブナ個体群を発見した。この個体群は、人里から遠く離れた山中のアクセスの悪い地点に位置し、周辺の植生が老齢自然林であること、ブナ個体が不規則に分布し多様な大きさの個体があることなどから自然に成立した個体群であると推定した。したがって、今回の発見個体群が、新北限となる。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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