人とクマの軋轢が頻繁な夏季において、季節特有の生息地選択が存在することが明らかになった。未管理林地や放棄農地が多く含まれ、利用可能な夏の食物が辺縁的な土地に限られていることを示していた。従って本研究の結果から、人間の土地利用変化が、クマによる人里周辺の頻繁な利用をまねく間接的しかし究極的な要因であり、ひいてはヒト-クマ間の軋轢増大の重大な一因になっていることが示された。クマの生息地選択に与える人の土地利用の影響を知ることで、多様な森林環境の復元・緩衝帯整備・遭遇の事前回避のための特定な場所の優先順位付けができるようになり、ヒト-クマ間の軋轢を軽減する効果的な生息地管理が可能となると考えられた。
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