研究課題
再生可能エネルギーを利用したスマートな次世代エネルギーシステムへの移行にかかわる諸問題を分析するために「次世代エネルギーシステム分析用産業連関表」を作成し,HP上で公開した。同表を用いた分析によれば,多くの再生可能エネルギー電気は,発電活動においても施設建設活動においても,経済全体への波及効果が大きいことがわかった。また,再生可能エネルギーの導入にともない,最終需要全体による生産誘発額,誘発エネルギー消費量,誘発CO2排出量は減少するが,雇用誘発は増加する。再生可能エネルギー社会への移行により,第2次産業部門への波及効果が減り,サービス産業部門への波及効果が増大する。よって,再生可能エネルギー社会への移行により,産業構造がサービス産業へより比重移動すると考えられた。また同表を用いて,固定価格買取制度のもたらす総合効果を見るとそのメリットは,再生可能エネルギー部門に大きく偏っていた。同制度は,サービス部門に対して負の総合的効果をもたらすが,再生可能エネルギー社会への移行自体は,サービス産業への比重移動をもたらすので,長期的にはその負の効果は解消されていく可能性がある。スマート住宅の受容可能性の研究として,社会心理学的アプローチを応用し, (1)消費者がスマート住宅を選択しさらにそこから満足を得るプロセスについて仮説を立て,(2)アンケート調査を実施し,(3)多変量プロビットモデルによる仮説検証を行った。その結果,住宅そのものの環境性能ばかりでなく周辺環境も良好な集合住宅の居住者について,仮説に有意なあてはまりが確認された。質の良い住宅に住みたいなどの住宅選択動機で,スマートな集合住宅の選択確率が有意に高まる。また,スマート住宅に住み,住宅の諸機能を使いこなしている場合に,居住者の満足確率が有意に高まる。このことからスマート住宅の普及に必要なマーケティング戦略等の示唆を得た。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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