研究課題/領域番号 |
23310035
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
柴崎 茂光 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (90345190)
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研究分担者 |
愛甲 哲也 北海道大学, (連合)農学研究科(研究員), 准教授 (30261332)
熊谷 嘉隆 国際教養大学, 地域環境研究センター, 教授 (00381335)
才津 祐美子 長崎大学, 大学院・水産・環境科学総合研究科, 准教授 (40412613)
西谷 大 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (50218161)
青木 隆浩 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (70353373)
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キーワード | 保護地域 / 国立公園 / ガバナンス / 近代化産業遺産 / 国有林 / 薪炭生産 |
研究概要 |
本年度は,2011年7月に東京で、2011年8月に屋久島での全体会合を開催し、問題点の抽出および課題の整理を行なった。議論の中で、会合や現地調査でのやり取りを経て、利用者の分析に関しては、単なる利用状況の調査だけでなく、山岳地域の管理・印象に対する意識をふくめた意向調査を実施する必要性があげられた。 そこで、利用者の動向については、2011年11月および2012年2月に宮之浦港・安房港・屋久島空港において対面式のアンケート調査および郵送方式の意向調査を併用する形でのアンケート調査を実施した。登山道については、楠川歩道などの侵食状況・違法刈り払いの状況、GPSの位置情報を計測した。このほかに、平成22年度前後の維持管理事業(登山道、トイレ、避難小屋など)に関するマネジメントシステムについて、公的機関を訪問して情報を把握した。その結果、過去に実施した同様な調査結果と比較して、マネジメントシステムがさらに複雑化していることが明らかになった。 歴史・民俗的資源の観光資源化の現状については、観光地を訪問したところ、たとえば近代化産業遺産に指定されているにもかかわらず、そうした状況がほとんど利用者に知らされるような工夫がなされていないことが明らかになった。また、国有林内にかつて存在していた廃村については、宮之浦集落周辺や、安房集落周辺の廃村を現地調査し、一部の遺構については、測量を行い、地図を作成した。廃村での生活経験者の聞き取りも結果も合わせたところ、安房森林軌道などとして登録されている軌道の支線が存在するとともに、石切り場、炭焼きガマ、キンマ道など種々の遺構が山岳地域に広範囲に残されていることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査や廃村などのフィールド調査を順調に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、今年度の調査を継続するだけでなく、海外の事例結果も踏まえながら、研究の深化を図ることとなる。
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