研究課題
本研究では、高エネルギー粒子の照射によって容易に損傷が生じる有機電子材料に対し、数万~数十万個の原子・分子が塊となったメゾスコピッククラスタービームを用いて、ダメージフリー・ナノ加工を行う。一原子あたりのエネルギーを1eV以下に低減するとともに、クラスターサイズや荷電状態・エネルギー・ガス混合比といった状態を制御し、有機電子材料のナノ加工における最適条件を見いだす。さらに、メゾスコピッククラスタービームと既存リソグラフィ技術を組み合わせ、有機電子材料に幅100nm以下のナノ構造を形成することにより、有機フォトニクス素子、有機半導体等や無機・有機融合デバイスの応用を検討する。マスクの改良が進めば、10nm程度のナノ構造形成を目指す。平成25年度は、電子衝撃イオン化エネルギーを30V程度に低下させることにより、メゾスコピッククラスターイオンビーム中の多価クラスターイオンの生成を抑制し、低損傷での有機材料加工を行った。さらに、クラスターイオン照射中の雰囲気ガスとして水分子を導入し、クラスターイオン照射による表面での高温・高圧状態形成効果により、表面吸着した水分子と有機材料との反応が促進され、有機材料のエッチング速度増大効果があることを見いだした。その結果、有機材料の損傷層も小さくなり、さらなる低損傷加工が可能であることを示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research, Section B
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