研究課題/領域番号 |
23310084
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
岩浦 里愛 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品分析研究領域, 主任研究員 (00450312)
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キーワード | DNA / 自己集合 / アセン / 分子認識 / 超分子化学 |
研究概要 |
(1) DNAを鋳型とした二成分系ヌクレオチド-アセン分子集積体の調製と構造制御 合成した種々のヌクレオチド-アセン複合体と鋳型DNAの二成分系自己集合により、アセン一次元集積体群を創成した。まず、NMR、IR、MSなどを用いて集積体中の相補的核酸塩基対形成を確認した結果、今回用いたアデニン-チミン間の相補的核酸塩基対が形成されていることがわかった。また、原子間力顕微鏡による一次元集積体の構造観察を行った結果、一次元集積体の直径は5-6 nm程度、長さは数μm程度であることが明らかとなった。また、CDスペクトル測定により、一次元集積体はらせん構造をもつことが示唆された。 (2) 鋳型DNAによる多成分系ヌクレオチド-アセン分子集積体の調製 鋳型DNAの核酸塩基配列を利用して、アセン分子の一次元ヘテロ集積体の形成を試みた。多成分集積では、集積体を作る手法をさらに精密に制御した。すなわち、鋳型DNAと二種類の双頭型アセン分子の3成分を含む水溶液を加熱し、十分に溶解させた後、90℃で一晩放置した。この後、約10℃/hrのゆっくりとした速度で室温付近まで溶液を冷却した。ゲル電気泳動により、本手法で作成した多成分系自己集合体は、用いた鋳型DNAや双頭型アセン分子よりも非常に分子量が大きい集合体が形成されたと考えられる結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度は実験補助員の雇用が予定より大幅に遅れたこと、および協力研究機関の節電影響により計画通りに実験が進まなかったが、これらの問題が解決し効率よく実験が進んだため、ほぼ当初の計画に追いつき、順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、アセン一次元集積体の光特性を検討するため、蛍光スペクトル測定および時間分解蛍光スペクトル測定を行う予定である。特に、鋳型DNAがある場合と無い場合で光学特性にどのような違いがあるかを詳細に調べる。
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