研究課題/領域番号 |
23310092
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
宮崎 真佐也 独立行政法人産業技術総合研究所, 生産計測技術研究センター, 主任研究員 (70344231)
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研究分担者 |
山口 浩 東海大学, 阿蘇教養教育センター, 講師 (00466236)
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キーワード | マイクロ化学システム / 酵素反応 / 規則配置 / マイクロリアクタ / 固定化技術 |
研究概要 |
本研究では、我々が独自に開発してきたマイクロ化学デバイスを用いる多段階の酵素反応技術を発展させ、より効率的な生理活性分子合成技術として酵素反応を用いるための技術開発を最終目標としている。本提案では、生体に近い効率での多段階酵素反応を行うために、生体内とほぼ同等の空間配置構築のために、ナノメートルオーダーで2次元に酵素分子一を規則配置する新規の分子固定化技術を開発する。これを用いてマイクロ流路内に酵素分子を規則固定化したマイクロリアクタを作製して多段階の酵素反応に供与し、効率的な生理活性分子合成デバイスの開発を目指す。本提案では(1)マイクロ流路内での長鎖DNAの配置による「縄のれん」様櫛形構造体の構築技術の確立、(2)「縄のれん」構造体への分子の配置・固定化技術の開発、ならびに(3)「縄のれん」様櫛形構造体上に配置した酵素による多段階反応挙動の解析を目的として研究を行う。初年度は基本となるDNAを用いた縄のれん様の足場構造を構築する技術の確立を中心に研究を行った。足場としては、長さが57μmのT4GT7 DNAを用いた。環状のT4GT7 DNAを制限酵素BssHIIとBamHIで処理して鎖状にし、末端にチオールとビオチンを導入したDNAを作製した。これを基板上に固定した。ガラス基板上におおよそ60μm以下の間隔で数μm幅の金膜を作製した。この片方にストレプトアビジンを吸着させた。これに流路を作製したポリジメチルシロキサン(PDMS)基盤をかぶせ、この流路に作製したDNAを計算で一分子を含むよう溶液調製して金固定部分→アビジン固定部分へと流通させ、せん断により分子を伸長させることにより、それぞれ末端に導入したチオールとビオチンを介して固定化し、一本の足場構造を形成することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に則ってDNA固定化による足場構造の形成に成功しており、概ね計画通り進行していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初の研究計画に則り、研究を遂行する。
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