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2012 年度 実績報告書

プラズモニック八木宇田アンテナを用いたナノエミッターの光インターコネクション

研究課題

研究課題/領域番号 23310095
研究機関広島大学

研究代表者

角屋 豊  広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (90263730)

研究分担者 鈴木 仁  広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (60359099)
HOFMANN Holger・F  広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (90379909)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワードプラズモニクス / 光アンテナ / 量子ドット
研究概要

本研究では金属ナノパターンのプラズモン共鳴を利用した光八木宇田アンテナによるナノエミッター光インターコネクションの実現を目指している.以下,実施項目ごとに,本年度の成果をまとめる.
A)光八木宇田アンテナの基本特性の精密な検証と高性能化: 均質媒質中のアンテナの放射指向性を測定するための液浸測定系を改良し,まず単一ダイポールの指向性が種々の屈折率において解析的な理論予測と良く一致することを確認した.さらに均質とみなせる媒質における八木宇田アンテナの指向性を測定し,基板・空気界面の屈折率差の影響を受けない放射指向性の測定に成功した.また,2素子および5素子アンテナのゲインが約2および4であることを実証した.
B)誘電体導波路埋め込み光八木宇田アンテナ: SiON導波路層に八木宇田アンテナおよびグレーティングカプラを埋め込んだ素子の作製に成功し,昨年度構築したEMCCD測定系を用いて,アンテナ性能の波長依存性を調べた.5素子アンテナのアンテナゲインが放射・受光モードのいずれの場合も最大5程度となることを実証した.一方で,この構造に対するFDTDシミュレーションを行い,定性的には実験結果と合うものの,数値的には違いがあることが分かった.次年度はこの差異の原因を明らかにするとともに,アンテナ間での送受信を行う.
C)光八木宇田アンテナによる量子ドット発光の制御: 本年度はアンテナのフィードのみに量子ドットを固定するたの手法開発を進めた.量子ドット固定の場所を決めるための誘電体導波路(SiON膜)への開口作製に関しては,FIBを用いて50nm程度の開口を作製することには成功した.一方,ドット固定に用いる自己組織化膜がSiON膜上では機能せず,量子ドット固定の選択制が不十分となることが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各実施項目の進捗が下記の通りであるため.
「光八木宇田アンテナの基本特性の精密な検証と高性能化」に関しては昨年度若干の遅れはあったものの,すでに当初目的どおりの結果を得ており,主要な国際会議であるCLEO2013において口頭発表を行う.
「誘電体導波路埋め込み光八木宇田アンテナ」に関しては完全に計画通りに進捗している.すでに実験的なアンテナゲインの測定に成功し,これもCLEO2013において口頭発表を行う.
「光八木宇田アンテナによる量子ドット発光の制御」に関しては,SiON上で自己組織化膜が働かず,当初予想した「うまくいかない場合」になったものの,すでに有機膜(電子線レジスト)上では自己組織化膜が良く働くことを確認しており,FIB加工も順調に立ち上がっていることから,若干の遅れは生じているものの,今年度末には目標に到達できると考えている.

今後の研究の推進方策

基本的には当初計画通りであるが,
1)アンテナへの量子ドット固定プロセスを若干変更するとともに,誘電体導波路埋め込みアンテナだけでなく,液浸状態での量子ドット発光制御も検討する.
2)アンテナを誘電体に埋め込まず,誘電体表面に配置する構成についても,検討を行う.これがうまく機能すれば,より幅広い場面での光八木宇田アンテナの利用が可能となる.
の変更および追加を行う.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] Radiation Pattern of Plasmonic Yagi-Uda Antennas in a Homogeneous Medium Realized by Liquid-Immersion Method2013

    • 著者名/発表者名
      Takafumi Sugita
    • 学会等名
      Conference on Laser and Electro-Optics (CLEO) 2013
    • 発表場所
      San Jose, USA
    • 年月日
      20130609-20130614
  • [学会発表] Radiation and Receiving Gain of Nano-optical Yagi-Uda Antenna Embedded in Slab Dielectric Waveguide2013

    • 著者名/発表者名
      Kaori Yanazawa
    • 学会等名
      Conference on Laser and Electro-Optics (CLEO) 2013
    • 発表場所
      San Jose, USA
    • 年月日
      20130609-20130614
  • [学会発表] Receiving gain of optical Yagi-Uda antenna embedded in dielectric slab waveguide2013

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Kadoya
    • 学会等名
      The 6th International Conference on Surface Plasmon Photonics (SPP6)
    • 発表場所
      Ottawa, Canada
    • 年月日
      20130526-20130531
  • [学会発表] 誘電体導波路中に埋め込んだ光アンテナの受光特性2012

    • 著者名/発表者名
      飛子雄介 , 柳澤佳織, 前田智志,椙田孝史, 角屋豊, H.F. Hofmann
    • 学会等名
      第73回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2012-09-14
  • [学会発表] 誘電体導波路中に埋め込んだ光八木宇田アンテナの数値解析2012

    • 著者名/発表者名
      柳澤佳織 , 飛子雄介 , 角屋豊 , H.F.Hofmann
    • 学会等名
      第73回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2012-09-14
  • [学会発表] 誘電体界面におけるダイポール放射の液浸法による指向性測定2012

    • 著者名/発表者名
      椙田孝史 , 吉田晃, 前田智志, 角屋豊, H.F.Hofmann
    • 学会等名
      第73回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2012-09-14

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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