研究課題/領域番号 |
23310100
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 秀樹 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (00597809)
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研究分担者 |
和泉 潔 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10356454)
吉村 忍 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90201053)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | エージェント / 交通工学・国土計画 / シミュレーション工学 / 二酸化炭素排出削減 / 人間生活環境 |
研究概要 |
本研究では,環境(低炭素社会)と生活(超高齢化社会)の両者に重要な影響を及ぼす自動車交通を中心ターゲットとして取り上げ,ライフスタイルシミュレーションと交通シミュレーションを組み合わせ,ライフスタイルの提案,インフラの整備,交通政策の策定等の社会システム設計が,環境と生活に与える影響を定量的に予測する統合シミュレータを研究開発することが目的である.平成24年度の研究は以下の手順で進め,それぞれ成果を得ている. (1)交通手段選択シミュレーションと交通流シミュレーションとの連携 平成23年度には,複数の交通モードが存在する交通環境の中で人々がどのモードを選択するかという交通機関選択シミュレーションについて検討した.平成24年度にはこれと交通流シミュレーションとを連携させ,都市生活の性質をより高く反映するシミュレーションモデルを提案した.(マルチモーダルシミュレーション) (2)交通問題に対する対策の評価方法の検討・整備 交通政策を評価する際の評価軸について,具体的な都市を例にとって検討した.一つは経済的な価値まで含めた政策の評価であり,もう一つは環境への影響の評価である.また,交通政策を実際に評価するのはその都市に住む市民であるため,本研究で使用している交通流シミュレータのユーザビリティを高め,広く市民に使用してもらうための準備を開始した.(路面電車軌道延伸に関する仮想社会実験,自動車が排出する温室効果ガスの定量的な推定)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年7月,研究代表者が不測の怪我を負い,入院・手術を行った.これにより同年7月から9月までの3か月間の研究が事実上ストップした.年度当初は平成24年度後半に大規模シミュレーションシステムの構築を目指していたが,上記理由により達成が困難となった. その他の研究についてはおおむね計画通り進展している.
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今後の研究の推進方策 |
遅れている大規模シミュレーションシステムは,本研究において複数交通機関の選択を含めた都市域のシミュレーションを現実的な時間内に実行するために必要であり,平成25年度に改めて実施するものとする. また本年度は最終年度にあたるため,これまで構築してきた交通流シミュレーションモデル,交通機関選択モデル,排出量推定モデルのより一層の高度化を進め,都市生活シミュレーションの基盤となる手法としてまとめる. なお,大規模なシミュレータの開発とメンテナンス作業は適宜専門業者に業務を委託する予定である.
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