マイクロ電極を使用した内部短絡評価は、微細線が溶融断線し、内部短絡の継続が困難であり、金属微粉の混入による内部短絡は発火事故の主因とは考えにくい。炭素導電助剤にFeが不純物として入っており、このFeが正極で酸化溶解し、負極で還元されてセパレータを貫通するほどの析出状態になることを確認した。これが内部短絡の主因と考える。有機電解液の引火点の調査では、120℃以上の温度が必要であった。新たに開発した電流遮断法による電池内部抵抗の評価では、電解液の物質移動支配では発火に至るような高温状態にはなりにくい。以上より、Fe析出が内部短絡を引き起こしても過充電を続けたために発火事故に至ると考えられる。
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