研究課題
昨年度に引き続き,天井流への火源形状の影響を検討するために,矩形火源から発生した天井流の温度に注目した実験を実施した。火源の極近傍領域では,矩形火源の長手方向あるいは短手方向へと,天井流が流れる方向により温度減衰に特徴的な差異があることを確認した。しかし,矩形火源から遠ざかるにつれて流れの方向性の影響も徐々に小さくなり,正方火源からの天井流に類似した減衰性状を示すことを確認した。しかしながら,速度データが入手できていないため,速度減衰への影響を比較することはできなかった。また,天井流の流れ性状に対する側壁の効果を検討するために,空間断面の縦横比が1:1.67であるトンネル状空間の天井に沿って流れる天井流に注目した実験を行った。温度および速度の計測結果をもとに,トンネル状空間内の流れは,火源から上昇した熱気流が空間天井に衝突後に同心円状に拡がる領域と,流れの性状が変化する遷移領域と,空間の長手方向に沿って1次元的な流れとなる領域の3領域に大別でき,各領域における温度および速度の実測結果を基にそれぞれの減衰を表す実験式を提案した。また,流れが拘束されることにより天井流の厚みは無限天井下の天井流よりも厚くなり,温度分布も最高値からの減衰がそれよりも緩やかな膨らみを持った分布形状を示すことを示した。実験ではトンネル状空間の断面形状あるいは傾斜の影響を検討することは容易ではない。そこで数値計算に基づく検討が期待されるが,採用する乱流モデルあるいは境界条件の設定は計算結果に大きな影響を及ぼす。そこで,天井流の流れ性状を数値予測する場合には,Sub-Grid Scaleモデルとしてコヒーレント構造モデルを,壁面では局所毎に算出される渦粘性係数を取り込んだ熱伝達モデルを採用することが望ましいことが実験結果との比較から確認できた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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