研究課題
本年度の研究においては、下記を実施した。・医療機関における事故調査活動の多様性の把握と運用モデルのパターン性の同定国内外における事故調査活動の制度的側面、内容、さらにはその運用実態に関して基礎的な情報の集約とその検討を行う。国内に関しては医療分野に留まらない他領域においても事故調査に関わる制度的な諸活動に関して情報収集とヒアリング調査を行う。国外に関しては、先行事例としてまずJCAHOの取り組みが先駆的活動に関して検討を行った。これらを踏まえ医療分野における事故調査活動の基本要素と必須機能、さらには調査活動のモデルのパターン性の検討を行った。・事故調査活動のアウトプット評価基準および医療分野の事故調査活動の特殊性の検討上記に基づき事故調査活動の具体的な目的を抽出し、その中心的な目的がどのようなものであるかに関する検討を行った。またこれらの目的と一連の事故調査活動によるアウトプットがどのような関係にあるのか明確化し、最終的にその目的が当該アウトプットによって十分に達成されうる範囲に関しての検証を行った。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画にほぼ沿う形で研究が実施されている。ただし、海外の当該課題に関わる事象の情報収集に関しては、当初想定していた対象を完全にはカバーできていないため、さらに追加の情報収集などが必要であると考えられる。
今後は、本年度における作業を踏まえ、医療分野における事故調査活動の目的が、医療従事者個人のレベル、組織レベル、そして社会的レベルなどの複数のレベル、それぞれにおいて具体的にどのようなものであるかを具体的に明らかにするとともに、こうした目的を達成するためには、医療機関においてどのような事故調査活動が求められ、さらにそのための資源がいかなるものであるかを明確化することとする。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (10件)
医療の質・安全学会誌
巻: 第6巻第3号 ページ: 332-345
日本医療・病院管理学会誌
巻: 第48巻第4号 ページ: 57-66
巻: 第6巻第3号 ページ: 397-400