研究課題/領域番号 |
23310122
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹中 博士 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (30253397)
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研究分担者 |
岡元 太郎 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40270920)
山田 伸之 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80334522)
中村 武史 独立行政法人海洋研究開発機構, 地震津波・防災プロジェクト, 技術研究副主任 (40435847)
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キーワード | 地震 / 自然災害 / 防災 |
研究概要 |
まず、南西諸島の地殻構造に関する利用可能な情報を収集するとともに、微動探査を与那国島、西表島、波照間島、屋久島、奄美大島、喜界島、沖縄島南部で実施した。さらに、既に微動アレイ観測を実施した沖縄島南部、石垣島、多良間島、宮古島でのデータ解析を行い、深さ2km程度までの1次元の深部地盤構造モデルの推定を行った。これらの結果、南西諸島の島嶼部における地盤構造の概要を明らかにするとともに、島地形と海底地形との対応を理解することができた。特に、南西諸島の上記島々における0.2~2Hzでの位相速度が得られており、これまでの研究では示されていない点である。今後、これらのデータの活用によって地震動評価の高精度化へ繋げることができると考えられる。 次に、島嶼地域の広域構造モデルを用いた巨大地震の地震動シミューレーションに対応するために、陸海地形や海水層の効果を取り入れたシミュレーション手法の開発を行い、大規模計算を実施して大規模計算に関わる課題の抽出作業を行った。シミュレーション手法は、Takenaka et al.(2009)の陸海統合スキームを実装した差分法である。この手法を用いて、広範囲な観測データが得られている2011年東北地方太平洋沖地震を始めとする複数の地震について地震波伝播シミュレーションを行い、観測波形と理論波形との比較によって手法の検証を試みた。これによって、海域で発生した地震に対し、3次元差分法コードを用いて陸上及び海底地形を取り入れた波動場の再現が可能となった。広域構造モデルの作成の際に参照する地形データやプレート境界データの収集も行った。さらに、想定巨大地震の地震動・津波同時シミュレーションの実施に向けて、3次元差分法コードの高度化を進めた。具体的には、支配方程式に重力項を取り入れ、海水層を含む1次元構造に対して地殻変動及び重力波(津波)の伝播計算を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サブテーマ毎の段階を踏んだ計画において,各テーマでの初年度の進捗として,次年度への進展に影響はないと考えられる。特に,初期情報として必要となるサブテーマ「各島の地盤及び地殻構造モデルの構築」の地盤構造情報を得るための島嶼部での現地観測作業が予定通りの進捗状況であるため、上記達成度とした。
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今後の研究の推進方策 |
南西諸島地域全体の3次元地下構造モデル構築のために、地下構造情報の統合を図るとともに、現地観測や情報収集からデータの集約化・統合化を行い、海陸分布・陸地形・海水・海底地形・地下構造の総合効果の解明と予測が行えるように解析・分析作業へ比重を移していくこととする。特に、個々の島嶼部における地下構造から広大な領域の面的なモデル化とさらに海底地形やプレート境界を含む南西諸島地域の広域構造モデルの作成、および強震動予測手法の検討と実施へのステップを踏んでいく予定である。解析面においては、3次元差分法コードで地震動及び津波の同時シミュレーションをするための手法の開発に取り組んできたが、数値的に不安定な計算ケマスがあり、今後の課題である。各種の計算パラメータを変えて不安定となる条件を見つけ、その解決を図りたい。
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