研究課題
1)高品質ボーリングコアの観察・記載方法の確立:平成24年度に引き続いて、不攪乱で採取された高品質ボーリングコアについて、構造地質学的な手法と知見を用いて、観察・記載方法を確立した。その結果,ノンテクトニックな断層とテクトニックな断層を区別する指標を明らかにした。2)重力による岩石の変形の特徴と初生地すべり(深層崩壊)への発達過程の解明:面構造の密に発達した片岩と、相対的にその発達程度の低い頁岩や砂岩との重力による変形構造の特徴を明らかにし、特に面構造の発達程度と重力による岩石の変形との関係、また、初生地すべりへの発達過程を明らかにした。さらに、さまざまな重力斜面変形の内部構造と詳細地形との対応を検討し、両者をリンクし、地表形態から内部構造を推定する手法を提案した。そして,2011年台風12号による深層崩壊39か所について発生前の地表形態を分析し,重力斜面変形を経て深層崩壊が発生すること,そして,それらは特徴的な地表形態を示すことを明らかにした。3)重力斜面変形の力学的検討:高品質ボーリングコアを用いて明らかにした変形斜面の内部構造を、有限差分法を用いて力学的に検討し,実際のすべり層の形成を数値解析的に再現することに成功した。3)研究成果のとりまとめ:上記の研究成果をヨーロッパ地球科学連合、日本地球惑星科学連合にて発表するとともに、TectonophysicsやGeomorphologyに発表するとともに,単著の「深層崩壊」として公表し,一般への研究成果の還元をはかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Geomorphology
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