研究課題/領域番号 |
23310127
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
有尾 一郎 広島大学, 工学研究院, 助教 (50249827)
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研究分担者 |
田中 義和 広島大学, 工学研究院, 助教 (00335704)
椿 涼太 広島大学, 工学研究院, 助教 (80432566)
中沢 正利 東北学院大学, 工学部, 教授 (20198063)
松本 慎也 広島大学, 工学研究院, 助教 (30325154)
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キーワード | 仮設橋 / 展開スマート構造 / 多重折畳み / ライフライン防災 |
研究概要 |
近年、地震、津波、集中豪雨などによる自然災害が多発し、道路や橋梁などのライフラインが寸断し、それらに対する災害リスクが高まっている。復旧の速さは生活に関わる優先かつ重要な課題である。しかしながら、復旧時間を最優先とした復旧工法に関する近代的なツールが乏しいのが実状である。そこで、本研究課題は、展開構造物の発展とその可能性を確証するために、スマート構造概念に基づく、多重に折畳める仮設橋システム「モバイルブリッジ」の実験橋を実際に製造し、設計解析ならびに強度実験によってその可能性を検証することにある。構造解析学上の後座屈解析理論から生み出された多重折畳み展開機構による革新的な橋の構造体としての技術を進化させることによって、浮体との渡橋や自治体での防備も視野に入れた次世代の安全でスマートな橋システムの技術開発を推進したいと考えている。 今年度は、本研究課題に対する研究スタートアップ準備のために研究協力者との連携調整、IT技術共有のためのwebの立上げ、研究グループの各研究者の研究の役割と研究目標を認識し、研究全般のスタートアップを制約される時間・環境下で進めてきた。危機管理上の橋構造物に関連する類似研究や、被災現場に持ち込むことを想定するために、平成23年9月台風12号による紀伊半島豪雨の被災構造物の現地調査を実施した。初年度は開発の実現性を確認するために、共同研究を締結しているメーカと共に,軽車両活荷重を受ける実験橋の試作設計と図面作成に着手してきた。例えば、図面上で製作する実寸大の橋の機構製作によって、展開部の部材の機構干渉部のチェックや立体的な機構の動き,安全装置などの確認を行うとともに、設計と製作上の検証を行ってきた。構造部材の強度確認や使用材料の材料実験、設計のためのシザーズ構造のFEM構造解析も実施してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試作製作や実験コストの開発予算に関して課題はあるものの、サイズ、使用材料や機能等を厳選し、実験橋の図面も検討しつつ、使用する部材断面や材料を厳選し、開発を進めている現状にある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、試作製造前の検討を綿密に詰めた後、設計仕様、確実な展開方法と実験内容を具体的に進めている現状にある。
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