研究課題/領域番号 |
23310129
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
二神 種弘 広島工業大学, 工学部, 名誉教授 (20104078)
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研究分担者 |
酒井 久和 広島工業大学, 工学部, 教授 (00360371)
角川 幸治 広島工業大学, その他部局等, 准教授 (60441507)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 自然災害 / 地盤災害生態工学 / 土砂災害 / 土石流 / 地盤の生態系 / DNA群集構造解析 / 地盤の富栄養化 / 地盤の微生物劣化 |
研究概要 |
本研究は、地盤生態系の富栄養化による微生物の増殖活動が促進する地盤の力学的劣化を解明し、合理的な地盤災害誘発の精緻シナリオを作成することを目的とし、分子生物学的手法(DNA群集構造解析)を含む生態学的視点を取り入れた複合的な「地盤生態系の富栄養化と地盤災害の誘発機構」に関する新学術分野(地盤災害生態工学)の開拓を行うもので、税収が伸び悩み財政の逼迫が予想される今後の少子高齢化社会での国土防災保全の総合的かつ効果的対策を行うための重要な研究となる。平成24年度は以下のことを行い、地盤生態系の富栄養化による増殖活動が地盤を力学的に劣化していることを検証し、その研究成果を国内外の関係学会で発表し、ホームページにも掲載した。 1)地盤災害現場調査【(1) 微生物・富栄養化調査[(a)現有設備を用いた分子生物学的手法(DNA群集構造解析)による微生物の同定解析(担当:角川)、(b)現有の走査型電子顕微鏡等を用いた微生物の形態観察による微生物の観察(担当:二神)、(c)現有のC-Nアナライザーを用いて地盤力学的劣化誘引する微生物のエネルギー源や生体構成物質となる富栄養化物質(全炭素・全窒素)の測定(担当:二神)]、(2)土質調査(現有設備を用いた地盤の貫入抵抗・地盤支持力の測定)(担当:酒井・二神)】 2)地盤災害誘発シナリオの作成(以上の研究による合理的な地盤災害誘発のシナリオの作成)(担当:全員) 3)地盤災害のホームページの作成(委託掲載)(担当:二神)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究方法の方針が、既に行った萌芽研究等を通じてほぼ決まっている。現場調査の主要場所が研究機関(広島工業大学)の直ぐ近くにも確保できている。富栄養化地盤の力学的安定解析の研究のみ遅れているが、研究はおおむね順調に進展している。研究成果を、平成24年度に国内および国際での関連学会で発表した。また、平成25年度にも国際会議で発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後(平成25年度は最終年度であり)の研究の推進方策は、地盤生態系の富栄養化による微生物の増殖活動が促進する地盤の力学的劣化の徹底的解明を目指し、合理的な地盤災害誘発の精緻シナリオを作成することを目的として行う。 富栄養化地盤の力学的安定解析の研究がやや遅れているが、研究代表者(二神)は、平成24年度から名誉教授となり、本研究に専念できる状態となったので、平成25年度は,エフォートを35%から50%に上げ、この研究の担当者に、分担研究者(酒井)ばかりでなく、加わることにした。なお、研究代表者(二神)は、地盤の力学に関する有限要素法解析の実務経験がある。また、研究代表者(二神)は、第5回国際境界要素法会議やIMACS/IFAC分布定数系のモデル化とシミュレーション国際シンポジウムを1983年と1987年に広島に招致開催し、それぞれ、スプリンガ-社とノースホランド社(エルゼヴィア社)から論文集を共編出版するなど、数値解析に造詣が深く、富栄養化地盤の力学的安定解析の研究ができる。
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