本研究では、肺前駆細胞を調製するための必要因子群を同定し、作成した肺前駆細胞の安定培養条件を探索する検討を進めている。マウスの肺及び食道、消化管組織からRNAを抽出し、肺特異的に発現する遺伝子群をマイクロアレイ解析により同定し、その中で、特に特異性が高く十分な発現量のある因子や文献上関与が示唆されている因子13個について繊維芽細胞にウイルスを感染させ、肺関連細胞へと分化するか検討したところ、複数の肺前駆細胞特異的遺伝子発現が確認され、これらの因子の中に有望な因子が存在していることが示唆された。さらにそれらの中から必須因子を取捨選択を進めており、現在数個の因子まで絞り込んでも肺前駆細胞を作製できることを確認している。現在これらの分化能の検証を進めているところである。
|