研究課題/領域番号 |
23310140
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
守屋 央朗 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 准教授 (60500808)
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研究分担者 |
牧野 能士 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (20443442)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ゲノム / 酵母 |
研究概要 |
酵母のすべての遺伝子6000について、遺伝子つなひき法によるコピー数限界の測定が終了した。すべての遺伝子のうち80%以上の遺伝子が100コピー以上に遺伝子のコピー数を上げても細胞システムは破綻しないことが明らかになった。また、115個の遺伝子コピー数が10以下の遺伝子・量感受性遺伝子(Dosage Sensitive Genes: DSG)を取得した。これらの遺伝子は細胞骨格や細胞内の輸送に関わる遺伝子であった。これらの遺伝子は細胞内でそもそもたくさん発現していることがわかったことから、タンパク質の合成や分解系に与える負荷「タンパク質負荷」がDSGを生み出すメカニズムであることが予測された。実際にGFPと遺伝子つなひき法を用いた実験によりタンパク質負荷がDSGを生み出すメカニズムであることが確かめられた。さらに、115個のDSGはタンパク質複合体の構成成分が多く含まれていた。このことからタンパク質複合体内の化学量の不均衡がDSGを生み出すメカニズムであることが予測された。タンパク質複合体の構成成分のうちDSGとなるものは、量的均衡にある遺伝子である可能性が示唆されたことになる。実際に複合体の構成成分の遺伝子が量的均衡関係にあるかどうかを確かめる実験を行ったところ、13のペアについて量的均衡関係にあることが明らかなとなった。この結果から、量的均衡関係にある遺伝子が見えないネットワークをつくり、これが現在の染色体の構成比の安定性を司っているという仮説を提唱した。これらの結果は、2013年1月にGenome Research誌に発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は酵母のすべての遺伝子6000を対象としてコピー数限界を測ることにより、量的均衡関係にある遺伝子を予測し、実際にこれが量的均衡関係にあることを示すことで量的均衡遺伝子が作るネットワークの全容を明らかにすることである。研究は当初のほぼ計画通りに進み、量的均衡関係にある遺伝子13ペアを同定、この結果をゲノム研究のトップジャーナルであるGenome Research誌に論文として発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はDSGを生む原理をより詳細に明らかにしていくとともに、量的均衡関係にある遺伝子が作るネットワークが他の酵母や原始的な酵母でどこまで保存されているのかを明らかにしていく。
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