真核型翻訳反応について,因子を組み立てて系を組み上げるアプローチで理解することに役立てる目的で,コムギ胚芽由来の翻訳因子をひとつひとつ単離精製することを試みた.その結果,リボソーム,翻訳伸長因子2種,翻訳開始因子14種のうち7種,翻訳終結因子2種のうち1種,アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)20種のうち4種については,最低限の純度の標品を得ることができた.ARSについては予想外に難しいことがわかった.また,コムギの大規模cDNA解析プロジェクトNBRP-wheatの成果物にeRF3に対応するもののみが含まれないことを確認し,それをコムギ胚芽からクローニングした.
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