研究課題/領域番号 |
23310151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
WONG WR 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 特任准教授 (30464035)
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研究分担者 |
船坂 龍善 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 博士研究員 (60564127)
橋爪 智恵子 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 博士研究員 (70564128)
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キーワード | 核膜孔複合体 / Rae1 / Nup98 / Nup358 / 紡錘体 / 物質輸送 / 有糸分裂期 / 異数化 |
研究概要 |
真核細胞の核膜孔を形成する核膜孔複合体(NPC)は、ヌクレオポリンと呼ばれる30種類以上のタンパク質から構成される巨大タンパク質複合体であり、核-細胞質問の物質輸送を制御している。当初ヌクレオポリンは、有糸分裂初期に核膜の崩壊と共にばらばらに分解されると、有糸分裂後期に再びNPCとして集合するまで不活性であると考えられていたが、最近の研究ではいくつかのヌクレオポリンの中には紡錘体形成、及び、有糸分裂後期開始に影響を与え、細胞の癌化に関与するものがあることが明らかになってきた(Funasaka and Wong, Cancer Metasta Rev 2011; Nakano et al., Cell Cycle 2011)。本研究課題では、NPCタンパク質の詳細な細胞内動態を解析すると共に、ナノボアの再構成を試みることを目的としている。 当該年度は、急性骨髄性白血病(AML)細胞中の染色体転座に多くみられるキメラタンパク質Nup98/HoxA9を解析した。ヌクレオポリンの一つNup98はRae1と結合し、間期では核膜孔に、有糸分裂期では紡錘体に局在する。一方、キメラタンパク質Nup98/HoxA9はRaelとの結合は可能であったが、間期では核内に、有糸分裂期では染色体上に局在が変化していた。これらのデータをまとめ論文を発表した(Funasaka et. a1., Cell Cycle 2011)。また、核膜孔複合体の構造と機能についての総説を生化学に(橋爪ら生化学2011)、ヌクレオポリンの一つNup88についての総説を生体の科学にて発表した(橋爪ら生体の科学2O11)。さらに、Nup358の有糸分裂期での相互作用タンパク質との機能を解析し、論文を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に則り、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に則り、今年度に予定している実験を進める。
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