研究課題
DNAの高次構造であるグアニン四重鎖(G4)は、遺伝子の転写制御に関係し、その探索は新たな創薬標的の発見につながる。我々はこれまで、大環状ポリオキサゾール化合物(6OTD, 7OTD)がG4に強力かつ選択的に結合することを見いだしている。本研究ではOTD類を用いた新規G4形成配列の検出法の開発を行った。(1)7OTDへ蛍光団を導入した蛍光プローブの合成を行い、DNAマイクロアレイへ応用することで、未同定のG4を検出する手法開発を検討した。7OTDに蛍光団としてCy5を導入し、G4蛍光プローブを合成した。このプローブを用い、DNAマイクロアレイによるハイスループットスクリーニング実験を行った。なおDNAマイクロアレイとして、G4配列が多数存在することが示唆されている領域を含む、CpG islandsマイクロアレイを用いた。その結果、G4を形成する配列として、約2,000の新規G4配列を同定することができた。(2)全ゲノムから一挙にG4形成配列を同定する手法を開発することを目的とし、6OTDをビオチン化した新規G4リガンドを開発した。これをアビジンビーズへと結合させ、G4鎖特異的なカラムを作製した。このカラムに対し断片化したゲノムDNAを通すことで、全ゲノムから一挙にG4形成配列を分離することが可能と考えられる。本手法をの予備的実験として、G4形成配列群と非G4形成配列群が混在するDNA混合物を用い、G4カラムを用いた分離実験を行った。その結果、G4形成配列群のみを選択的に分離することができた。今後、全ゲノムを用いて検討を行う。またグアニン四重鎖に結合するタンパクを同定するためのリガンドとして、6OTDの新規二量体を開発することができた。これが細胞内環境を模倣した、長鎖テロメア四重鎖へ低濃度で相互作用することを見いだした。G4結合タンパク質同定への基盤を構築することができた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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