研究課題/領域番号 |
23310160
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
服部 明 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (50300893)
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研究分担者 |
丸山 正人 関西医科大学, 医学部, 講師 (00399445)
井上 英史 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20184765)
藤原 浩 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30252456)
大石 真也 京都大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (80381739)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 脱ユビキチン化酵素 / ユビキチン / プロテアーゼ / アクティビティーベースドプローブ / プロテオミクス解析 |
研究概要 |
前年度の解析において、HeLa細胞中での脱ユビキチン化酵素活性測定用基質LRGG-AMC分解活性が酸化ストレス刺激によって著しく低下することを見出した。そこで、酸化ストレス感受性脱ユビキチン化酵素の分子同定を目指した解析を行った。過酸化水素処理前および後のHeLa細胞の各細胞抽出液をMonoQカラムで分画し、LRGG-AMC分解活性のプロファイリングを行った。その結果、酸化ストレス処理した細胞ではLRGG-AMC分解活性が著しく低下している画分が存在することを見出した。本画分中に含まれる酸化ストレス感受性脱ユビキチン化酵素の同定を前年度作製したユビキチンactivity-based probeを用いて行った。刺激前の活性含有画分とprobeとを反応させ、Western Blot解析を行ったところ、probeと共有結合を形成していると考えられるタンパク質に由来するバンドが分子量約37,000に認められ、同じサイズのバンドは酸化ストレス処理後の細胞抽出液中の溶出画分には存在しなかった。probeの分子量が約10,000であることから、本分子がUCH-L3であることが強く示唆された。さらに、FLAGタグを付加したUCH-L3を発現させたHeLa細胞の細胞抽出液から免疫沈降によって回収したUCH-L3-FLAGのLRGG-AMC分解活性を検討したところ、酸化ストレス刺激前の細胞から得られたUCH-L3-FLAGでは認められたLRGG-AMC分解活性が酸化ストレス後のUCH-L3-FLAGでは完全に消失していた。以上の結果から、UCH-L3が酸化ストレス感受性脱ユビキチン化酵素であることが明らかとなり、老化などによる本酵素の活性低下が様々な疾患発症の原因になりうることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作製したプローブを有効活用した結果、特定の細胞刺激に対する活性動態変化を示す脱ユビキチン化酵素の同定の途を開いた。来年度、様々な細胞刺激した細胞を用いた解析へと研究を展開することが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果に加えて、作製したプローブの汎用性を示すため、さらには様々なストレス刺激時の細胞内における脱ユビキチン化酵素の活性変化を追う。さらに本解析によって、細胞応答反応における脱ユビキチン化酵素の重要性の解明を目指す。
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