研究課題
がん細胞の浸潤抑制する新規化合物を天然から探索し、2つの新規化合物を発見した。すなわち、がん細胞の遊走を抑制する化合物を微生物培養液から探索したところ、放線菌から2つの新規化合物が単離され、migracin AおよびBと命名した。migracin AとBは同等の活性を示し、乳がんMDA-MB-231、肺腺がんA594、線維肉腫HT-1080細胞のwound healing法における遊走を阻害した。そしてmigracin Aは卵巣がんES-2細胞の遊走とマトリゲル・チャンバーを用いた浸潤を、毒性を全く示さない濃度で阻害した。このように新しい卵巣がん浸潤抑制物質を発見した。一方、H24年度に分子デザインして合成したepoxideのないDHMEQの誘導体Exo-ene EQが十分な量があり、この化合物はHT1080細胞の浸潤を抑制し、さらに、卵巣がんES-2の浸潤も抑制した。最近、卵巣がん細胞がIL-8等を産生して抗がん免疫を抑制する共同研究による実験系で、DHMEQは免疫抑制を解除することが培養細胞系および動物実験でみられた。(以上、梅澤)NF-kappa B阻害剤DHMEQのようにがん細胞の浸潤を抑制する抗炎症物質を微生物培養液から探索した。マクロファージのNO産生を指標に阻害剤を探索し、カビの培養液から新規物質pirapaxillineを見出した。(梅澤、清水)一方、本課題の腹腔内転移のバイオイメージングは膵臓がん細胞を用いて行われ、DHMEQはin vivoで明らかな抑制効果を示した。(芳賀、梅澤)以上のように、H25年度は新しい浸潤抑制物質が複数発見し、バイオイメージングを用いた腹腔内転移の動物実験でDHMEQの抑制効果を示した。Exo-ene EQ以外の結果は論文で発表している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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