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2011 年度 実績報告書

絶滅危惧種シマフクロウの遺伝的多様性評価と遺伝子資源保存の基盤形成

研究課題

研究課題/領域番号 23310164
研究種目

基盤研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

増田 隆一  北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (80192748)

研究分担者 西田 千鶴子  北海道大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50106580)
キーワード遺伝子 / 環境 / シマフクロウ / 絶滅危惧種 / 遺伝的多様性 / 保全生物学 / マイクロサテライト / 集団遺伝学
研究概要

本研究の目的は、(A)北海道における絶滅危惧種シマフクロウの保全をめざして、地域集団の遺伝的多様性を評価すること、および、(B)細胞・遺伝子資源の保存体制を確立することである。(A)のために、両性遺伝する適切なマイクロサテライトDNAマーカーを見い出し、シマフクロウ個体の遺伝子型を決定する方法を確立した。さらに、北海道における各地域集団のヘテロ接合度や対立遺伝子数などの遺伝的多様性とその時代的変遷を分析したところ、多くの地域において多様性が低下する傾向にあることが判明した。さらに、地域集団間の遺伝的分化が進行していることも明らかになった。これは、集団間の移動個体が少ないことを示している。一方、従来の生態調査によって記録されている個体関係と本研究によって得られた遺伝子型とを比較解析した結果、雌雄のうちの一方が入れ替わったつがいがいることが判明した。また、母系遺伝するミトコンドリアDNAの多型が見い出され、マイクロサテライトのデータと組み合わせることにより、集団の多様性評価および家系調査がより効率的に進むことが考えられた。今後はこれらのマーカーを用いて、収集サンプル全体の分析を進める必要がある。
(B)のために、これまで凍結保存されてきたシマフクロウの皮膚細胞を培養系に戻し、その保存状態を確認した。ほとんどの細胞サンプルが正常に保存されていることが確認された。増殖細胞からゲノムDNA抽出を行い、遺伝子分析に使用するとともに、その保存を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

北海道において、1980年代から現在までに捕獲または回収されたシマフクロウのほぼ全個体のサンプリングを行うことができた。また、適切なマイクロサテライトDNAマーカーを特定し、シマフクロウ分布地域の全域において、遺伝的多様性の傾向をパイロット的に明らかにすることができた。また、ミトコンドリアDNAの塩基配列の多型性および構造の多様性も、近縁種と比較しながら分析することができた。

今後の研究の推進方策

多型性が明らかにされたDNAマーカーを用いて、収集した多くのサンプルを着実に分析して行く。さらに、海外のシマフクロウ集団の分析を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Population structure and genetic diversity in the endangered Blakiston's fish owl (Bubo blakistoni) on Hokkaido Island, Japan, revealed by microsatellite analysis2012

    • 著者名/発表者名
      Keita OMOTE
    • 雑誌名

      Zoological Science

      巻: 29(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 絶滅危惧種シマフクロウにおける集団構造と遺伝的多様性2011

    • 著者名/発表者名
      表渓太
    • 学会等名
      日本動物学会第82回大会
    • 発表場所
      旭川市大雪クリスタルホール(旭川市)
    • 年月日
      2011-09-21

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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