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本研究では、北海道における絶滅危惧種シマフクロウの保全をめざして、地域集団の遺伝的多様性を評価し、さらに、細胞・遺伝子資源の保存体制を確立することを目的とした。そのために、ミトコンドリアDNA、マイクロサテライト、および主要組織適合遺伝子複合体（MHC）の集団遺伝学的解析を行った。その結果、どの遺伝子分析においても共通して、ボトルネック後の地域集団の分断と各集団内の遺伝的浮動と近親交配による遺伝的多様性の低下、および、集団間の遺伝的構造が急速に変化したことが示された。さらに、シマフクロウの培養細胞・血液・組織等および抽出したDNAを長期保存・活用するシステムの基盤を確立することができた。
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