• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

近現代インドにおける食文化とアイデンティティに関する複合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23310174
研究機関東京大学

研究代表者

井坂 理穂  東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (70272490)

研究分担者 山根 聡  大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (80283836)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2016-03-31
キーワードインド / 食文化 / アイデンティティ / 近現代 / ネーション / 都市 / 国際研究者交流
研究概要

2013年度は、各メンバーがそれぞれの研究テーマについての資料収集・分析を進め、成果を論文やエッセーのかたちで公開する作業を行うとともに、国際学会(82nd Anglo-American Conference of Historians: Food in History, 2013年7月12日)における成果報告を通じて、海外の研究者との交流を深めた。この国際学会においては、井坂理穂(研究代表者)、山根聡(研究分担者)、およびRachel Berger(Concordia University)の3名がパネル(The cultural politics of food in South Asia)を組織し、各自がこれまでの研究成果を発表した。井坂は植民地期のインドにおいて食をめぐる慣習が再構築される過程について、料理人に焦点をあてて検討し、山根は植民地期のウルドゥー文学における食をめぐる記述について、洗練された語彙に着目しながら分析を行った。報告後の質疑応答や他のパネルへの参加を通じて、食の歴史を扱っている研究者たちと活発な情報・意見交換を行った。
このほか、本プロジェクト主催の研究会を2013年6月および11月に行った。ここではメンバー以外の研究者を招き、インド伝統医学文献についての報告や西アジアの食文化史についての報告を聞き、近現代インドの事例と比較しながら、食文化における時代を超えた継続性や地域間での相互影響について議論した。また、篠田隆(連携研究者)による現代インドの大学寮食堂についての調査をはじめ、メンバーが現在行っている調査についての報告、情報交換もあわせて行った。2014年1月にはメンバーを中心とした打ち合わせ会を行い、今年度の研究成果の総括および来年度以降の計画について詳細に検討した。
以上の活動のほかに、本プロジェクトのウェブサイトを更新し、研究会情報、食文化に関連する授業の紹介などを追加した。小磯千尋(研究協力者)や山根は一般読者向けの雑誌において、成果の一部をわかりやすいかたちで紹介した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者、研究分担者、連携研究者、研究協力者のそれぞれが行っている研究はいずれも順調に進展しており、国際学会での報告や海外の研究者との交流も大きな刺激となった。また、国内の研究会を定期的に開き、メンバー間での情報・意見交換を行っており、他の地域・時代の食文化史を研究する研究者との交流も深まりつつある。こうした成果は、各メンバーによる研究活動のほか、大学における教育活動にも反映されており、昨年度は食文化にかかわるテーマを取り上げた授業が複数のメンバーによって開講された。

今後の研究の推進方策

引き続き、各メンバーがそれぞれの研究テーマに関する資料収集・分析を進めるとともに、定期的に研究会を開催し、メンバー以外の研究者の報告も交えながら、情報・意見交換を行う。また、2014年度には研究代表者を含む数名がデリーに赴き、現地の研究者も交えた研究会を開くことを予定している。2015年度には海外から研究者を招聘し、東京で国際ワークショップを開催することを考えている。こうした口頭での研究発表のほかに、論文集の作成に向けての準備も行う。
以上のような学術的な場での研究交流や成果報告を進めると同時に、より広範な人々に向けた情報発信にも努める。ウェブサイトの拡充、授業や講演会での研究内容の紹介、一般読者向けの雑誌への投稿などを行うほか、食を扱う企業との研究協力の可能性についても検討したいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 植民地期インドにおけるイギリス人家庭と料理人2014

    • 著者名/発表者名
      井坂 理穂
    • 雑誌名

      Odysseus:東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻紀要

      巻: 18 ページ: 31-50

  • [学会発表] Reconstructing culinary practices in colonial India: cooks, memsahibs and the Indian middle class

    • 著者名/発表者名
      Riho Isaka
    • 学会等名
      82nd Anglo-American Conference of Historians: Food in History
    • 発表場所
      University of London, London, U.K.
  • [学会発表] A study of the sophisticated terms in the Urdu writings on cuisine culture under the British Raj

    • 著者名/発表者名
      So Yamane
    • 学会等名
      82nd Anglo-American Conference of Historians: Food in History
    • 発表場所
      University of London, London, U.K.
  • [学会発表] Urdu Writings on Food

    • 著者名/発表者名
      So Yamane
    • 学会等名
      Pakistani Studies in Japan
    • 発表場所
      Bahauddin Zakariya University, Multan, Pakistan
  • [備考] 近現代インドにおける食文化とアイデンティティに関する複合的研究

    • URL

      http://indianfoodkaken.org/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi