研究課題/領域番号 |
23310178
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石坂 晋哉 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 客員研究員 (20525068)
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研究分担者 |
志賀 美和子 専修大学, 文学部, 准教授 (80401157)
舟橋 健太 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (90510488)
木村 真希子 明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員 (90468835)
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キーワード | 地域研究 / 社会学 / 文化人類学 / 東洋史 / 政治学 |
研究概要 |
本研究は、インドの社会運動を、インド民主主義の発展と関連づけて歴史的に捉え直すことを目的とする。そのため本研究では、個別のさまざまな運動についてそれぞれ異なるディシプリンにもとづいて研究を進めてきた10名をメンバーとし、各自の事例分析を基本としながら、インドの社会運動と民主主義をめぐる理論化を図る。具体的な課題は、以下の3つである。(1)ポストコロニアルという視角にたって、植民地期の諸運動を扱ってきた歴史学的研究と、独立以後の時期の諸運動を扱ってきた社会学や政治学の研究とを架橋する。(2)インド社会運動を、政治参加の拡大やコミュニティの自己主張、境界を超える連携といったインド民主主義の諸特徴と関連づけて多角的に捉える。(3)計量分析の手法を導入し社会運動の長期的盛衰を体系的に跡づける。 初年度の平成23年度は、4回の研究会(インド社会運動研究会)を開催し、メンバー全員が各自の分担事例の研究報告ならびに周辺領域の文献レビューを行った(環境運動:石坂晋哉、非バラモン運動/ドラヴィダ運動:志賀美和子、ダリト運動/仏教改宗運動:舟橋健太、エスニック運動:木村真希子、憑依と社会運動:石井美保、農民運動:小嶋常喜、開発と社会運動:杉本浄、ナクサライト運動:中溝和弥、産児制限運動:松尾、チベット難民と社会運動:山本)。そこでは、これまでの歴史学的研究においては運動におけるエリートとサバルタンの関係についての議論が焦点だったことや、これまでの社会学的研究においてはインドの運動が「平等(公正)」と「アイデンティティ」を同時に追求するという特徴をもつ傾向にある点が強調されていたことなどが明らかにされた。また、インド社会運動イベントデータベース作成に向け、関連文献のレビューと各種データの整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度当初にメンバー全員が集まりじっくり議論する機会をもつことができたため(4月のアジア研究学会、5月の第1回インド社会運動研究会)、早い時期に互いの研究を知り、問題関心を共有することが可能となったことが、順調な進展につながったといえる。
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今後の研究の推進方策 |
第2年度は、インドの社会運動と民主主義をめぐる主要な論点をより明確にし、その論点とかかわらせて各自の事例分析をさらに進める。
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