研究課題/領域番号 |
23310178
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石坂 晋哉 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 客員研究員 (20525068)
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研究分担者 |
志賀 美和子 専修大学, 文学部, 准教授 (80401157)
木村 真希子 明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員 (90468835)
舟橋 健太 京都大学, 文学研究科, 研究員 (90510488)
杉本 浄 東海大学, 文学部, 講師 (70536763)
松尾 瑞穂 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 講師 (80583608)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 地域研究 / 社会学 / 文化人類学 / 東洋史 / 政治学 |
研究概要 |
本研究は、インドの社会運動を、インド民主主義の発展と関連づけて歴史的に捉え直すことを目的とする。そのため本研究では、個別のさまざまな運動についてそれぞれ異なるディシプリンにもとづいて研究を進めてきた11名をメンバーとし、各自の事例分析を基本としながら、インドの社会運動と民主主義をめぐる理論化を図る。具体的な課題は、以下の3つである。(1)ポストコロニアルという視角にたって、植民地期の諸運動を扱ってきた歴史学的研究と、独立以後の時期の諸運動を扱ってきた社会学や政治学の研究とを架橋する。(2)インド社会運動を、政治参加の拡大やコミュニティの自己主張、境界を超える連携といったインド民主主義の諸特徴と関連づけて多角的に捉える。(3)計量分析の手法を導入し社会運動の長期的盛衰を体系的に跡づける。 平成24年度は、4回の研究会(インド社会運動研究会)を開催し、メンバー全員が各自の分担事例の研究報告を行うとともに、成果を本にまとめていくための議論を行った(非バラモン運動:志賀美和子、仏教改宗運動:舟橋健太、エスニック運動:木村真希子、環境運動:石井美保、農民運動:小嶋常喜、地域主義運動:杉本浄、ナクサライト運動:中溝和弥、産児制限運動:松尾、チベット難民運動:山本、ダリト運動:鈴木、総括:石坂)。また舟橋と石坂は連合王国スコットランド・エディンバラ大学にて、社会運動研究の方法論的革新をめざす国際ワークショップを開催した。 インドの社会運動には、欧米や日本などの先進国とは異なり、植民地主義の強い刻印が認められることや、インドの社会運動は、インド民主主義において、一方では議会制を補完する不可欠なファクターとして、他方では議会制に対抗しそれを脅かすファクターとして、機能していることなどが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、以下のとおり4回の研究会を実施し、メンバー全員が各自の分担事例の研究報告を行うとともに、エディンバラ大学で国際ワークショップを開催し2名が報告を行った。 第1回(通算第5回)インド社会運動研究会:2012年5月26・27日(龍谷大学・京都大学)、第2回(通算第6回)インド社会運動研究会:2012年6月22日(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター)、第3回(通算第7回)インド社会運動研究会:2012年12月9日(京都大学)、第4回(通算第8回)インド社会運動研究会:2013年2月9日(京都大学)、国際ワークショップ:2012年10月17日(エディンバラ大学McEwan講堂)。 なお、当初の研究計画にあった社会運動の数量的把握に関しては、主に資料的制約から、作業が難航している。しかし全体としては、上記の研究会を通じて議論が深まっており、成果を本としてまとめる方向で進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は最終年度であるので、メンバー一丸となって、成果を本としてまとめることに全力を傾注する。
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