研究分担者 |
三浦 俊彦 和洋女子大学, 言語・文学系, 教授 (10219587)
服部 裕幸 南山大学, 人文学部, 教授 (40110754)
長滝 祥司 中京大学, 国際教養学部, 教授 (40288436)
金野 武司 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 特任助教 (50537058)
柏端 達也 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (80263193)
大平 英樹 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90221837)
橋本 敬 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (90313709)
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研究実績の概要 |
平成26年度われわれは本プロジェクトの最終成果を、36th Annual Cognitive Science Conference (Quebec City, Canada, 2014)において発表した。これは、昨年度に35th Annual Cognitive Science Conference (Berlin)と、HAI(Human-Agency Interaction)2013シンポジウム(岐阜大サテライトプラザ)において発表した内容を、さらに洗練させたものである(HAIでは「優秀賞」を受賞)。 昨年の発表内容から進展した点は、被験者がロボットとの意図の食い違いを発見したときにロボットに対してどのような態度および主観的印象を持つか、ということのインタラクション上の意味を概念的に解明したことである。ここでは、ロボットの<意図の自律性>はロボットがわれわれに与える<抵抗性>に大きく依存することが確かめられた。これは、次期科研費で追求する予定の「ロボットの個性」に関する研究方向を定めるものである。 この最終年度においても、共同注意場面でロボット上に実現した<人とロボットの意図の相互帰属>はまだ初次的なものである。しかし同時に、今年度の様々な実験からは、ある程度成熟した内部構造を持つコミュニケーション型ロボットであれば、むしろ問題は、人間がどうしてロボットの行動に「意図を読み込んでしまうのか」という事態にあることが判明した。それは、コミュニケーションが社会を要請し、社会が意図の差異を個性の差異として要請する、という人類の進化論上の制約と深く関連している。今年度の最大の成果は、なぜ人の<心>が<社会>を必要とし、また逆に<社会>が<心>を必要とするのか、ということの解明にわれわれの研究が踏み込みつつある、ということである。
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