研究課題/領域番号 |
23320014
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
逢坂 雄美 仙台高等専門学校, その他部局等, 名誉教授 (30152036)
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研究分担者 |
笠松 直 仙台高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40510558)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | パーリ語 / 初期仏典 / 『アングッタラ・ニカーヤ』 / 原典校訂 / 語彙索引制作 |
研究概要 |
平成24年度は,『アングッタラ・ニカーヤ』全5巻のうち第3巻-第5巻の電子化テキストの校正を行った.訂正を要する箇所を多数指摘し,全体の再校訂へ向けて問題点の検討を行った.この際,先行するパーリ語による初期仏典『ディーガ・ニカーヤ』『マッジマ・ニカーヤ』『サンユッタ・ニカーヤ』索引作成研究で得た知見を最大限に活かし,全編に統一的な方針を確立すべく検討を進めている.また,現段階のデータに基づく索引を作成中であり,その結果の索引チェックをした.なお新たな知見は,現在進行中の新パーリ語辞書制作に資するため,パーリ文献協会(PTS)に提供する.25年度に予定する作業と併せて本経典の索引が完成すれば,パーリ仏教の四ニカーヤ索引が完備し,古代インド思想史・初期仏教・中期インド語研究の領域に多大な利益をもたらすことになる. 我々は,これまでJavaを用いて,中期インド・アーリヤ語(パーリ,アルダ・マガダ,サンスクリットの諸語)に属する古文献を系統的に解析できるツールを構築してきた.最近のパソコンのOSの劇的な変化に対応できるように,従来のツールをより使い易く改良した. その詳細については研究紀要にまとめてある. また,この研究の一環として,代表的なジャイナ経典のひとつである『パリシシュタパルヴァン』に含まれる詩偈(韻文)部分の詩脚索引を作成し,中央学術研究所より出版した.この研究により,ジャイナ教典の主要教典の詩脚索引を完成した. さらに,本年度は当該研究グループとパーリ文献協会(PTS)は現地諸僧院と協同のうえ,ミャンマー(ビルマ)僧院所伝のアングッタラ・ニカーヤ関連の資料収集をし,当該文献の完全な改訂版作成を目指す事業も推進した.新たに収集中の改訂された当該文献を活用することにより,より完成した形での『アングッタラ・ニカーヤ』の索引を完成できることになる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に予定していた『アングッタラ・ニカーヤ』第3巻-第5巻に関わる電子化テキストの校訂作業は,おおむね遅延なく進展した.平成23年までの作業結果と併せると,最終年度前までに全5巻の電子化テキストの校訂がほぼ終わったことになる. また,これまで開発した索引作成ツールをより詳しく吟味して,細かいエラーをつぶして殆ど完全な物にした.このツールを使って目的とする語彙索引を作成することが容易に可能である. 当該文献の他に,極めて近い言語関係にあるジャイナ教聖典『パリシシュタパルバン』の詩脚索引作成をして,中央学術研究所より出版した.この研究により,第一次基礎資料を獲得でき,かつ『アングッタラ・ニカーヤ』の語彙索引に当たっての関連データを蓄積出来た. これらの結果,最終年度では,『アングッタラ・ニカーヤ』全5巻の語彙索引を完成させて,所期の目的通りにPTSより出版の見込みが立っている.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は本年度まで得られた『アングッタラ・ニカーヤ』全5巻分の電子化テキストをもとに,各巻の語彙索引を作成してそのチェックをする.その後に各巻の索引の合本作業を実施する.合本した索引を言語学的に徹底的にチェックし,また整合性についてのチェックもして,出来るだけ完全な索引作成を目指す. 最終索引作成がほぼ終了した時点で,校訂上の課題を概ね摘出して, PTS(英国)のGethin教授・Pruitt博士を訪問して(8月予定),語彙索引出版に当たっての最終討議をする.この結果を踏まえて,再度語彙索引を作成する. 出版するのは語彙索引の順列部分であるが,その精度を上げるために逆順索引も作成する.この逆順索引により,順列索引では見逃していたエラーを発見できる場合もある. 情報科学研究者(代表者)と言語学研究者(分担者等)との密接な連携を取り,上記の索引作成を迅速かつ正確に遂行して,最終年度内にPTSより出版する予定である.
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