研究課題/領域番号 |
23320030
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋山 聰 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50293113)
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研究分担者 |
板倉 聖哲 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00242074)
佐藤 康宏 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50141990)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 美術史 / コレクション / 聖遺物 / 比較宗教美術史 / 宝物 / 所蔵目録 / 工芸 |
研究概要 |
今年度も引き続き、当該研究課題に関連した文献・画像資料の収集を、とりわけ国内に架蔵図書が不足している西洋の事例に比重を置きつつ行なった。また研究代表者は、2012年7月にドイツ、ニュルンベルク市において開催された国際美術史学会(CIHA)第33回大会で、比較宗教美術史研究に充てられた第3セクションの基調発表ならびに座長を、ベルリン東アジア美術館学芸員マルティナ・シュトイエ氏とともに務めたが、二日にわたる発表と議論において、本研究の成果を適宜公表するとともに、諸領域からの新たな示唆や知見を多数得ることができた。加えて、研究代表者は夏季休暇期間中にドイツやベルギーにおいて主として教会宝物に重点を置きつつ美術と宝物に関わる資料調査を行ない、東西比較の対象としうる事例を更に多く収集する傍ら、また次年度スイスで予定される研究会の準備を進めた。日本・東洋美術担当研究分担者らは、主として夏季休暇中に昨年度に引き続き谷文晁一門粉本調査を行ない、400点あまりの粉本を調査し、多くの研究者との意見交換を行うことができ、近世における絵画コレクションの諸相の解明に着手し、成果の一部を口頭ならびに論文発表した。また西洋担当連携研究者(畑)は、フランスおよびイタリアで宝物の実地調査や文献査を行なった。また西洋担当者らは研究協力者とともに、前年度に引き続きコラン・ド・プランシーの『聖遺物・聖画像辞典』の訳出に取り組んできた。今年度は7月と1月の二度にわたり研究会を開催し、美術コレクションおよび仏教における宝物をテーマとし、学外学識者を招聘しご発表いただくともに、本研究メンバーと活発な議論を行ない、多くの点において東西比較の有効性を確認することができた。なお代表者・分担者ともに、これまでの成果の一部を国内はことより国外の公刊物にも論文発表を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会の開催等に多少時間的ずれは生じたりはしているものの、研究自体は当初の研究目的に沿って概ね順調に遂行されている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度でもあり、これまでの成果を研究会やセミナーを通して、国内外の研究者に提示し、議論を行なう予定である。これまでの洋の東西の個別的事例研究により得られた成果を適宜比較することに重点を置いた作業を推進するとともに、これまでの研究成果の取りまとめと公刊の準備を進める。
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