研究課題/領域番号 |
23320042
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
五十殿 利治 筑波大学, 芸術系, 教授 (60177300)
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研究分担者 |
茂登山 清文 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (10200346)
後小路 雅弘 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (50359931)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | アート・リソース / 大学美術館 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究の目的は大学における教育研究資源として、美術に関連する「アート・リソース」をいかに活用し、大学の社会貢献に資するかを調査研究するものである。研究計画として①「大学における「アート・リソースの活用」に関するwebsiteの運営、②「キャンパス・ミュージアムとしての大学」における絵画・彫刻等の展示・公開方法の調査研究、③筑波大学内におけるパフォーマンスのアーカイブ化、④東アジアの大学におけるアート・リソース活用例の調査、⑤「アート・リソース活用のためのシステム」の実証実験と修正、⑥電子メディアとネットワークを利用した「アート・リソース」活用についての国際シンポジウムの開催を掲げた。 ①について研究活動の展開を発信しているが、発信力に改善の余地がある。②については2012年9月22日に筑波大学においてシンポジウム「ミュージアムとしての大学キャンパスII」を実施し、その成果を前年開催の「ミュージアムとしての大学キャンパス」(2011年10月22日名古屋大学)を含めて報告書にして公表した。③についても計画通りに実施した。④については台北芸術大学関渡美術館でアジア現代美術展「関渡ビエンナーレ」を調査し、さらに近年活発な活動が目立つシンガポールのラサール美術大学のICASを調査した。⑤については気づきをもたらす画像間のつながりに着目し、その研究成果を国際会議(オクスフォード,7月)に発表した。⑥については「アートリソースと情報・デザイン」と題し国際シンポジウムを2012年12月8日に名古屋大学で開催した。基調講演ではFHヨアネウム大学のカール・シュトッカー教授がネットワークの視点と連動させつつ情報デザインの意義と重要性について論じた。くわえて大学美術館のあらたな開設とそのデザイン、大学博物館における写真資源のアーカイヴ化とその活用を試みている事例報告が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウェブサイトからの発信力に改善の余地があるが、それ以外の研究活動については、国際シンポジウムの開催、調査研究成果の公開、また各班の共同研究体制等において順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究については課題の解決に向けておおむね順調に進んでいるが、今後は各班の連絡をより密にして発信力を強化することを目指す。 研究全体としては、今後目指すべき方向性が明確になりつつある。すなわち大学における「アート・リソース」の活用について、大学の社会貢献が積極的に求められる現状において研究の意義が増しており、今後は現在よりさらに地域や性格を異にする拠点を勘案した研究のネットワークを拡大して、これまでの基礎的な研究を土台として総合的な研究の段階に移行することが重要である。
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