本年度は研究計画の最終年度にあたるため、従来の研究の集約を目指して活動を展開するとともに、その実績を土台として、今後の研究への展望についても議論を行った。その結果、新たに拠点を増強し、総合的な研究を目指して基盤研究(A)を申請することとなった。 研究の集約としては2014年3月に研究代表者、研究分担者、連携研究者による研究成果を集めた研究報告書(51頁)を刊行し、3年にわたった研究を総括することになった。 また毎年実施してきた国際シンポジウムについては、8月に九州大学創立五十周年記念講堂において「大学とミュージアム」というタイトルのもとに実施し、パトリック・フローレス(フィリピン大学)とアフマド・マシャディ(シンガポール大学)、さらに国内大学の関係者を討論者として招いて、大学におけるミュージアムのあり方について多面的に議論を進めた。このシンポジウムについては、上記の研究報告書に、フローレス、マシャディ、そして研究発表を行った三島美佐子による各論文を掲載した。 また「アート・リソース」概念の普及を図るために、研究代表者五十殿と連携研究者寺門臨太郎は「総合大学における美術展示 アート・ポリシー、「筑波アート」、アート・ストリート」と題して、大学博物館等協議会とともに開催される博物科学会(2013年5月、宮崎大学)での研究を発表を行った。
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