研究課題/領域番号 |
23320049
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岡崎 乾二郎 近畿大学, 国際人文科学研究所, 教授 (90388504)
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研究分担者 |
後安 美紀 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 客員研究員 (70337616)
辻田 勝吉 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (20252603)
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キーワード | 芸術学 / 表象文化論 / 身体表現 / 技能伝達 / 技能伝達 / 美術史 / 真贋判定 / 技術論 |
研究概要 |
1、対象とする作品(群)を確定。直接資料、間接資料の収集、解祈にとりかかる。 (1)研究テーマの絞り込み。身体技術として時間的な過程として分節され構造化された、制作の過程の諸段階がそのまま様式に反映されて現れる近代絵画以降の展開-とくに印象派以降構成主義、抽象までの展開に焦点を合わす。 (2)収集した資料をもとに周辺のコンテキストを分析、個々の作品の制作過程をレイヤー分解によって時間軸で解析。過程の復元を試みた。 2、国立近代美術館で当該の作品をもとに研究担当者たちとの議論を重ね、さらにワークショップ、多数の参加者(被験者)をえて実地検証を行なった (1)1のデータを元に国立近代美術館にてワークショップを実施。制作技術把握がフィードバックされ鑑賞過程(作品把握)が変化。さらに制作技術の向上が見られることなどの実証ができた。 3、同時に作品鑑賞にあたえる、周囲環境の影響の調査、資料収集をはじめ、実地的な調査に取りかかった。 美術館、壁画など、複数の作品が空間的に配置されたときに形成される文脈的なコンテキスト、空間の相互作用が与える作品認識の変化。深化を分析。(国立近代美術館、大塚国際美術館などでの調査)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の絞り込みから、制作過程の再現、復元の推理、と仮説の成立が比較的早く達成された。またその復元過程(仮説)をもとに実施されたワークショップからも多くの有意義な実証的なデータが得られ、分析が深まった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の成果により、当研究=身体的時間的に分節され構造化されたプロセス分析が、抽象絵画に代表される近代絵画、にも言語的な意味形成作用があること、さらにその意味を読み取ることを可能にする新しい分析次元が開かれる、という確信と展望をもたらした。(抽象絵画は従来のスタティックなイメージ分析=ゲシュタルト分析によっては、形式主義的なコンポジション、配置関係を超えた意味作用を読み取ることができなかった)。
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