本研究の成果の一点目は、加藤洋介編『伊勢物語校異集成』(和泉書院、2016年2月)を刊行したことである。既刊の『伊勢物語』校本三種に所収の諸伝本について再調査を行い、3400箇所あまりに修正を加えた上で、さらに未収伝本の校異を追加したものである。成果の二点目は、定家本源氏物語についても同様の作業を継続し、全54帖の過半となる36帖の校異をホームページ上(http://www.let.osaka-u.ac.jp/~ykato)に公開し、研究者の利用に供した。これについては今後も作業を継続し、源氏物語全巻に及ぼすことを目指している。
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