研究課題/領域番号 |
23320058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
入口 敦志 国文学研究資料館, 研究部, 助教 (80243872)
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研究分担者 |
花田 冨二夫 ノースアジア大学, 教養部, 教授 (00110205)
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キーワード | 父母恩重経 / 三綱行実図 / 帝鑑図説 / 仮名草子 / 絵入り刊本 |
研究概要 |
韓国国立中央図書館での2回の調査(2011年7月、9月)において、『仏説大報父母恩重経』各種、『仏説長寿滅罪護諸童子陀羅尼経』『天地冥陽水雑文』『三綱行実図』『二倫行実図』などの諸刊本に挿図のあることを確認した。また、これまでその存在が知られていなかった『帝鑑図説』宝永六年刊本を確認した。 ホノルル美術館の調査(2011年10月、2012年1月)においては、近世初期の仮名草子、お伽草子、絵入り浄瑠璃本など多数を調査し、絵入り刊本年表の作成に向けての基礎データを充実させることが出来た。 中野三敏氏との打合せ(2011年6月5日)において、氏所蔵の『竹斎』が、『これまで知られていなかった刊本であることが判明し、今後研究を進めていくことになった。 2011年2月には韓国外国語大学・講師の金永昊氏に来日してもらい、韓国における絵入り刊本に関する情報提供を受けた。また、今後本研究への協力をしてもらうことになり、韓国におけるより一層の情報収集を約した。 成果として、入口は論文「楼閣の唐破風-異世界表現の日中-」を『東亜文化的伝承与棄揚』(中国書籍出版社、2011年7月)に発表し、絵入り刊本が日中相互にどのように影響を与えたのかについて考察した。また、入口・花田がその編者となっている『仮名草子集成』第47巻が刊行された。 絵入り刊本年表と仮名草子年表については、必要な各種書籍を購入し、アルバイト作業によってデータの蓄積を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記したように、韓国国立中央図書館・ホノルル美術館等において、実地の調査による絵入り刊本の掘り起こしを行うと共に、目録や図録などの書籍からの情報蓄積も1000件を超えるペースで行っており、計画の通り順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、これまで同様、計画に基づいて、各地所蔵機関における絵入り刊本の調査を遂行すると共に、絵入り刊本年表・仮名草子年表に向けたデータ収集や図書の購入などの基礎作業を継続する。
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