研究課題/領域番号 |
23320058
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
入口 敦志 国文学研究資料館, 研究部, 助教 (80243872)
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研究分担者 |
花田 富二夫 ノースアジア大学, 法学部, 教授 (00110205)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 絵入刊本 / 古版画 / 仮名草子 |
研究概要 |
昨年度までに引き続き、アルバイト作業によるデータの入力作業を行った。これにより、約2000件のデータが蓄積された。分析に耐えうるだけのデータ量が集まってきたため、その情報について、分析・研究を推進した。また、データ採録に必要な工具書についても、特に中国や韓国で刊行されたものを中心に収集して備えた。 その結果、当初の予定では平成25年度に予定していた中間発表を行うことが出来た。具体的には、次の二件の国際シンポジウムに参加して成果発表を行った。 1.平成24年8月27日から28日「国際シンポジウム 日本文学の中の外国文学、外国文学としての日本文学」於、ハルピン工業大学(中国)、入口敦志「日中勧誡図刊行考」発表とシンポジウムのコメンテーター、花田富二夫「東アジアの善書と江戸初期文学」発表。 2.平成24年10月「国際シンポジウム 韓・中・日古版画国際学術大会」於、韓国古版画博物館(韓国)、入口敦志「絵入り刊本の様式についての比較検討 ―『融通念仏縁起』(1391年刊)を中心に―」発表。また、この折に絵入刊本を所蔵している韓国古版画博物館と海印寺の調査を行った。特に韓国古版画博物館は、韓国の絵入刊本だけではなく、中国や日本のものについても膨大な数を所蔵していることがわかったため、今後も継続的に調査を行うことを約した。 調査については、特にホノルル美術館に所蔵される1000点以上の絵入刊本につき、入口・花田と、勝又基氏(明星大学)の協力を仰ぎ、緊急調査を行った。その他、国内の各地図書館などにおいて、本研究に資する調査を継続的に行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎データ作成のための工具書など予定通り購入し、アルバイトによるデータ採録作業に備えた。その結果、データ採録作業においても、遅滞が生ずることなく順調な成果を上げることが出来た。 上記の、データを基にした分析作業も順調に進んでおり、研究実績の概要で述べたとおり、代表者・分担者ともに国際シンポジウムで発表を行い、その成果を広く公開することが出来た。本来、成果の中間報告は平成25年度の予定であったが、この点については当初の予定よりもかなり早く進んでいると評価できる。 調査においても、予定してた箇所はもちろん、韓国古版画博物館など、新たに調査すべき機関とも連携することが出来、次年度以降の調査に道筋を付けることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
基礎データ作成のための工具書の購入とアルバイト作業については、これまで通り行っていく。調査については、予定していた調査箇所の他に、新たに調査の必要性が出てきた機関等を組み入れながら、実施していく。また、当初の予定通り、平成25年度には、当該科研が主体となって、ワークショップあるいはシンポジウムを開催し、国内外の研究者の参加を得て、成果を共有する予定である。
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