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2013 年度 実績報告書

英文学教育の理念・目的および方法に関する体系的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23320060
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 和久  東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (10108102)

研究分担者 阿部 公彦  東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (30242077)
冨山 太佳夫  青山学院大学, 文学部, 教授 (70011377)
丹治 陽子  横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (90188459)
原田 範行  東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (90265778)
丹治 愛  法政大学, 文学部, 教授 (90133686)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワード英文学教育の理念 / 英文学教育の方法 / 英語教育 / 映画の活用
研究概要

3年目となる25年度は、グループ全体の研究テーマとしては、英文学教育における映画の活用を選択した。学生の本離れが指摘されるなか、より多くの作品に触れさせる方法として映画の活用があるというだけではなく、映画によるアダプテーションも文学作品のひとつの解釈と見なすことによって、映画と文学の比較によって相互の解釈を深めるアダプテーション研究は、英文学研究の方法を学習する効果的な研究であるものとして、英文学教育に活気をもたらす要因となる。
そのような前提のもとで、映画の解釈の方法を映像の文法をいかに教えるかからはじまって、いかに具体的な作品解釈へと学生を導くかというさまざまな次元の方法論について研究することになった。そしてその成果として、日本英文学会東北支部大会特別シンポジウム「英文学教育における映像の文法」(司会=岩田美喜)を中心的に企画し、丹治愛と原田がパネリストとして参加した。外部の講師、フロアとともに、議論が盛り上がり、有益な質疑応答ができた。
英文学教育を日本英文学会と連携して組織化、体系化しようとする本研究のもうひとつの重要な使命としては、日本英文学会関東支部と連携して進める予定の、「教えるシリーズ」と題する英文学教育の叢書の刊行がある。
26年度はグループ内部でこの制度化についての具体策を協議したあと、出版をお願いする日本英文学会協賛会員の出版社のうちの数社と意見交換をして、制度化にむけての準備を進めることができた。関東支部理事会でもその方向での制度化を了承され、規程づくりの最後の段階にきている。26年度には、広く企画を募りつつ、このグループとしても企画のアウトラインを作成し、提案していく予定になっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

英文学教育の方法についてのグループとしての研究活動はテーマを選びながらそれぞれのテーマで着実に成果をあげているし、体系化も徐々に進み、それが学会活動をつうじて組織的な展開も見せはじめている。叢書出版の企画も、英文学会関東支部と連携しつつ、徐々にではあるが前進している。

今後の研究の推進方策

最終年度となる26年度は、「文学史をいかに教えるか」という主題をグループ全体の研究主題として取り組む。その成果は、日本英文学会北海道支部の大会シンポジウム「文学史を書く、文学史を教える」として発表する。高橋、丹治、原田、阿部が、司会、パネリスト、コメンテーターとして登壇する予定。
そのほかに、4年間の研究の総括を進め、それを日本英文学会の「教えるシリーズ」という英文学教育叢書の公刊に役立てていく予定である。

  • 研究成果

    (27件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 8件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] イギリス小説と批評の研究2014

    • 著者名/発表者名
      丹治 愛
    • 雑誌名

      『英語年鑑2013』(研究社)

      巻: 1 ページ: 3-8.

  • [雑誌論文] モダニズムにおけるジャンル横断的詩学ーーヴァージニア・ウルフ『波』における小説と詩(2)2014

    • 著者名/発表者名
      丹治 愛
    • 雑誌名

      『英文學誌』(法政大学英文学会)

      巻: 56 ページ: 19-37

  • [雑誌論文] ポール・ド・マン再読2013

    • 著者名/発表者名
      富山太佳夫
    • 雑誌名

      『思想』(岩波書店)

      巻: 1071 ページ: 43-56

  • [雑誌論文] 気球と鉄道と…お化け2013

    • 著者名/発表者名
      富山太佳夫
    • 雑誌名

      『中央評論』(中央大学出版局)

      巻: 284 ページ: 83-91

  • [雑誌論文] 顔と服装と人種ーーイギリス人は異人種をどう描いたか2013

    • 著者名/発表者名
      富山太佳夫
    • 雑誌名

      庄司宏子編『絵のなかの物語 文学者が絵を読むとは』(法政大学出版局)

      巻: 1 ページ: 19-69

  • [雑誌論文] ワイルドとジャーナリズム2013

    • 著者名/発表者名
      原田範行
    • 雑誌名

      『オスカー・ワイルドの世界』(開文社出版)

      巻: 1 ページ: 401-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ワイルドの饒舌と寡黙2013

    • 著者名/発表者名
      原田範行
    • 雑誌名

      『螢窓』(開文社出版)

      巻: 7 ページ: 1-5

  • [雑誌論文] Translation and Transformation of Jonathan Swift’s Works in Japan2013

    • 著者名/発表者名
      Noriyuki Harada
    • 雑誌名

      "The First Wit of the Age": Essays on Swift and His Contemporaries in Honour of Hermann J. Real ( Peter Lang)

      巻: 1 ページ: 315-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『ガリヴァ―旅行記』の日本2013

    • 著者名/発表者名
      原田範行
    • 雑誌名

      『図書』(岩波書店)

      巻: 775 ページ: 12-15

  • [雑誌論文] ホイットマンの音量調節2013

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      竹内勝徳・高橋勤編『環大西洋の想像力 ― 越境するアメリカン・ルネッサンス文学』(彩流社)

      巻: 1 ページ: 239-60

  • [雑誌論文] サロメと即興神話 ― ワイルドにおける曲線の意味をめぐって2013

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      富士川義之・玉井暲・河内恵子編『オスカー・ワイルドの世界』(開文社)

      巻: 1 ページ: 96-112

  • [雑誌論文] 〈目の失敗〉の物語 ― ウォレス・スティーヴンズとハワード・ホジキン2013

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      庄司宏子編『絵のなかの物語 ― 文学者が絵を読むとは』(法政大学出版局)

      巻: 1 ページ: 153-185

  • [雑誌論文] ナサニエル・ホーソーン『七破風の屋敷』の気遣う語り手2013

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      西谷拓哉・成田雅彦編『アメリカン・ルネサンス ― 批評の新生』(開文社)

      巻: 1 ページ: 325-44

  • [学会発表] テクストを自由に読む――『1984年』を例に

    • 著者名/発表者名
      高橋和久
    • 学会等名
      和洋女子大学大学院人文科学研究科講演会
    • 発表場所
      和洋女子大学(東京)
    • 招待講演
  • [学会発表] 英文学から何を学ぶか――ディケンズ『荒涼館』を一例に

    • 著者名/発表者名
      高橋和久
    • 学会等名
      早稲田大学英文学会(文学学術院)・英語英文学会(教育・総合科学学術院) 2013年度合同大会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京)
    • 招待講演
  • [学会発表] 授業中の映画は息抜きではないー『ガリヴァー旅行記』(1996)の見方/読み方

    • 著者名/発表者名
      丹治 愛
    • 学会等名
      日本英文学会東北支部特別シンポジウム「英文学教育における映像の文法」
    • 発表場所
      東北工業大学(仙台)
    • 招待講演
  • [学会発表] Translation and Transformation of Pride and Prejudice in Japan

    • 著者名/発表者名
      Noriyuki Harada
    • 学会等名
      Pride and Prejudice刊行200年記念国際シンポジウム
    • 発表場所
      ケンブリッジ大学(英国)
  • [学会発表] 諷刺と語りの揺らぎ―『ガリヴァ―旅行記』再読

    • 著者名/発表者名
      原田範行
    • 学会等名
      名古屋大学英文学会サマー・セミナー
    • 発表場所
      名古屋大学(名古屋)
    • 招待講演
  • [学会発表] 『ガリヴァ―旅行記』はなぜ面白いのか?―諷刺、文学、創造性

    • 著者名/発表者名
      原田範行
    • 学会等名
      日本女子大学英文学会
    • 発表場所
      日本女子大学(東京)
    • 招待講演
  • [学会発表] 言葉と映像の語るもの、語らぬもの―配置、省略、現実/非現実、展開の技法をめぐって

    • 著者名/発表者名
      原田範行
    • 学会等名
      日本英文学会東北支部大会特別シンポジウム「英文学教育における映像の文法」
    • 発表場所
      東北工業大学(仙台)
    • 招待講演
  • [学会発表] 読書と教養の文化史―A・マングェル著『読書の歴史』を参照して

    • 著者名/発表者名
      原田範行
    • 学会等名
      日本国際教養学会全国大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(東京)
    • 招待講演
  • [学会発表] "のぞき〟の技法 ― 誰が小説を解放するのか

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 学会等名
      第85回日本英文学会全国大会シンポジウム「アメリカ小説の大衆的ふるまい ― 文学の通俗性と公益性をめぐって」
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
  • [学会発表] オルソンとイギリス ― J・H・プリンを中心に

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 学会等名
      日本アメリカ文学会東京支部例会シンポジウム「チャールズ・オルソンって誰?『マクシマス詩篇』って何? ― 大文字のHISTORYから小文字のhistory へ」
    • 発表場所
      慶應義塾大学(東京)
  • [学会発表] 英詩の甘み ― シェイクスピアの恋愛詩を読む

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 学会等名
      立正大学英文学会
    • 発表場所
      立正大学(東京)
    • 招待講演
  • [学会発表] 嫌がる学生に無理矢理英詩を読ませることについて

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 学会等名
      日本英文学会関東支部秋季大会シンポジウム「古典の困難 ― それでも、やっぱり、教えたい?」
    • 発表場所
      日本女子大学(東京)
  • [図書] 詩的思考のめざめ2014

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 総ページ数
      218
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [図書] 『ガリヴァー旅行記』徹底注釈 注釈篇2013

    • 著者名/発表者名
      原田範之、服部典之、武田将明
    • 総ページ数
      xiv+593+23
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2015-05-28  

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