研究課題
本年は文学教育の柱となるべき文学史教育について集中的に研究を進めるとともに、英文学教育の理念と方法論に関するこれまでの成果をまとめるための著作(研究社)――英文学教育叢書の第一巻目をめざして――の構想を、英文学会関東支部と連動しながら進めることができた。文学史教育については、その成果を、日本英文学会北海道支部第59回大会シンポジウム「文学史を書くこと、文学史を教えること」というかたちで発表した。外部から後藤和彦(立教大学教授)を招き、ひじょうに活発な議論をすることができただけでなく、多数の聴衆に恵まれることで、この4年間に教育にたいする関心が英文学界のなかにも着実に広がっていることを実感できる有意義な機会となった。より具体的には、文学史を教えることによってそれを書くことを強いられている英米文学研究者して、文学史と文学研究の現在的な問題――文化、歴史、物語、国民国家、ナショナリズムなど――をあらためて検討するとともに、英米文学教育者として文学史を教えるときになにを重視しているか、どのような工夫を凝らしているかといった実際的なヒントを披露しあう機会ともなった。英文学教育の著作については、原田範行が中心となり、研究社編集部からも具体的なサジェスチョンをもらいながら、全体の構成を定めるところまで進めた。たんに英文学の専門知識を教えるというだけでなく、学士力と言われる社会人基礎力――高度な言語能力、コミュニケーション能力、課題発見・解決能力など――を養成するためのアクティヴ・ラーニングの要素をいかに組みこむか、いかに具体的な教案の提案を加えるかというところで、これまでにはない著作をめざすことになるだろう。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 6件) 図書 (3件)
『戦争・文学・表象 試される英語圏作家たち』福田敬子ほか編
巻: 1 ページ: 1-10
『19世紀「英国」小説の展開』海老根宏・高橋和久編(松柏社)
巻: 1 ページ: 1-23
『ユリイカ』2014年臨時増刊号
巻: 46-9 ページ: 197-203
『白鯨』千石英世編(ミネルヴァ書房)
巻: 1 ページ: 48-58
巻: 1 ページ: 67-88
『十八世紀イギリス文学研究―共鳴する言葉と世界』日本ジョンソン協会編
巻: 1 ページ: 2-18
The Liberlit Journal of Teaching Literature
巻: 1 ページ: 1-15
『季刊 ビーグル』
巻: 23 ページ: 14-18
『太宰治研究』
巻: 22 ページ: 255-68
『群像』2014年8月号
巻: 1 ページ: 150-61