研究課題/領域番号 |
23320070
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
城 眞一 東京医科大学, 医学部, 教授 (60424602)
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研究分担者 |
平野 嘉彦 東京大学, 人文社会系研究科, 名誉教授 (50079109)
吉川 信 群馬大学, 教育学部, 教授 (70243615)
戸田 勉 常葉大学, 外国語学部, 教授 (90217505)
川島 隆 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10456808)
桃尾 美佳 成蹊大学, 法学部, 准教授 (80445163)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 言語危機 / マウトナー / ジョイス / ベケット / カフカ / リルケ / イェイツ / 神秘思想 |
研究概要 |
上掲の課題の下、3回の研究例会(6月、8月、3月)の他、ワークショップ「モダニズムにおける<亡霊>と<声>――ダブリンとプラハを中心に」(明治大学、日本英文学会関東支部大会、6月)及び「マウトナー講演会」(京都大学文学部、10月)、加えて「D.ゴルトシュニッグ教授講演会」(東京大学文学部、11月)をそれぞれ計画どおり実施した。各発表項目は業績表を参照されたい。ここでは主要行事の意義と成果を要約する。6月開催のワークショップでは、イェイツ、ベケット、リルケ、カフカらは、その詩論の形成過程で「亡霊」と「声」に多大の触発を受けていた有り様が、研究史上初めて一堂に集積された。刷新された同時代のメディアを逆手に<声>の方法論を確立してゆくさまは、言葉への懐疑と絶望を収束させるのも、また同じ言葉であることを我々に教えてくれた。10月のマウトナー講演会では、前年度のマウトナー・シンポジウム(2012年度実績報告書参照)の補完を企画した。先ず、マウトナーの言語観がベケットの批評の方法を決定づけていること、即ちベケットが「擬人化」や「隠喩的思考」を斥けて、「非分節言語」の明晰さをジョイスの作品に読み込み、称揚するに至る過程が解明された(木内久美子氏)。次に、マウトナーと劇作家ヘルマン・バールとの交友を通して見えてくる、マウトナー最晩年の神秘思想への傾きの背景について、興味深い論考が展開された(西村雅樹氏)。加えて、ニーチェ初期の言語・認識批判論とマウトナーの言語批判論との相関性が指摘され、論議を惹起した(平野嘉彦氏)。 末筆ながら、招聘をお受けいただいたD.ゴルトシュニッグ氏には、カール・クラウスとプラハの文学者たちとの交友を仮借なく分析していただいた。 また、前年度のマウトナー・シンポジウムの内容を「日本独文学会研究叢書」の一巻として刊行できた。関係諸氏にはこの場で謝したい。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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