研究課題
最終年度は、研究メンバーそれぞれが担当分野の分析をすすめるとともに、2度の研究会を実施し、研究成果の共有と深化を目指した。とりわけ12月の最終研究会では、研究協力者の森中美樹氏による講演も含め活発な議論が行われ成果を挙げることができた。三年間の研究に於いて、とりわけ江戸時代以降現代に至るまでの中国小説の受容に関しては、多くの新知見の発見と研究の深化があったと考えている。メンバーの個別研究における成果は以下に記すとおりである。高西は、明治期の文言小説の受容の諸相を、当時の文言小説の翻訳および当時の中国文学史を精査することにより明らかにした。また、前年に引き続き『太平広記』『夷堅志』の訳注を作成した。勝山は、自身が発見した「三言」最古の口語訳である松井等『伝説之支那』の調査分析を実施し、本書が口語訳を採用したのは訳者の中国渡航経験に由来することを明かにした。また従来不明であった井上紅梅の養父家について新発見資料から解明を試みた。川島は、江戸時代の日本における『金瓶梅』の受容のあり方について、国内外の学会で発表を行うとともに、徳山毛利家および台湾故宮博物院に所蔵される『金瓶梅詞話』のテキスト問題についても調査と報告を行った。林は、日中古典演劇比較の観点から、文献調査を経て主に元雑劇と人形浄瑠璃・歌舞伎における仏教的要素の受容について明らかにし、その成果の一部を公刊した。塩は、台湾の国家図書館、故宮博物院図書文献館などに所蔵されている『太平広記』諸版本の調査を実施するとともに、楊守敬旧蔵本および台湾諸機関に所蔵されている『太平広記』諸版本に関する研究報告・論文執筆を行った。井上は、西遊記に登場する沙悟浄について、児童書における扱われ方の変遷を調査し、発 表した。また、日本の西遊記受容史において、重要な役割を果たした宇野浩二と 伊藤貴麿の西遊記について、その特徴を考察し、発表した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (25件) (うち招待講演 7件) 備考 (2件)
中国古典小説研究
巻: 18 ページ: 121-146
『高知県立大学紀要』文化学部編
巻: 63 ページ: 1-10
『高知県立大学文化論叢』
巻: 2 ページ: 64-84
国際文化研究
巻: 20 ページ: 未定
アジア文化研究
巻: 2 ページ: 未定
京都文教短期大学研究紀要
巻: 52 ページ: 103-113
国際文化研究科論集
巻: 21 ページ: 127-142
巻: 21 ページ: 113-126
東方
巻: 388 ページ: 29-33
http://mediamarker.net/u/guanhua/
http://www003.upp.so-net.ne.jp/haoyi/kaiiki/index.html