研究課題/領域番号 |
23320076
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20383383)
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研究分担者 |
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
志賀 市子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (20295629)
太田 出 広島大学, 文学研究科, 准教授 (10314337)
佐藤 仁史 一橋大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (60335156)
緒方 賢一 立命館大学, 言語教育センター, 講師 (60551158)
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キーワード | 宝巻 / 中国民間宗教 |
研究概要 |
初年度となる平成23年度は、組織を整え、基礎的作業を行って、研究態勢の確立を行った。 上半期においては、まず6月にメンバー全員が参加する第1回の国内研究集会を開催し、収集宝巻資料について検分・検討を行うとともに、今後の作業について全体的な審議を行った。次に、文献整理班責任者を中心として作業部会を立ち上げ、収集宝巻資料の電子目録作成・データ化に向けた写真撮影作業、および補修作業に着手した. 下半期においては、収集宝巻資料に加え、江蘇省における新発現資料についても写真撮影作業、および補修作業を継続して進めるとともに、1月に第2回の国内研究集会を開催して、現段階における収集資料簡易目録を共有し、作業状況についての報告および審議を行った。 また、理論研究班責任者を中心として読書会を組織し、収集宝巻資料のうち、宝巻文学・民間宗教史における最も重要なテキストの一つである『竜華経』を選び、その校訂および注釈作成を進めた。さらに、確認の必要性が明らかになった国内各地の所蔵資料についても、次年度以降の本格的調査に向けた、基礎的な調査を行った。このほか、既存影印叢書や澤田コレクションとの対照表等、文献整理に際して補助的役割を担う参考資料の作成作業も進めた。 本年度は以上の研究活動によって、(一)書誌研究による宝巻文学・民間宗教史の再検討、(二)宝巻の流通および受容層の解明という、本研究が目指すテーマに向けた研究基盤を確立するとともに、次年度以降更に考察を深めてゆく準備を完了することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、予算の大幅な減額および支給の遅れ、さらに震災とそれにともなう種々の不都合により、研究の遂行に影響が及んだ点が存在することは否定できない。しかし、次年度以降の開催予定だった読書会を前倒しで開始することができたほか、本研究のテーマにおいて非常に重要な未収資料を入手・整理した等、これを補い得る点も多く、全体としては順調な進展を見たと評価することができる。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調に進展しているため、基本的には当初の計画に基づいて実行していくことを予定している。ただし、当初申請額からの大幅な予算減額により、中国における現地調査については、適宜参加人数を調整することとする。
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