研究課題/領域番号 |
23320078
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
内山 精也 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20275019)
|
研究分担者 |
浅見 洋二 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70184158)
池澤 一郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70257228)
東 英寿 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90218686)
保苅 佳昭 日本大学, 商学部, 教授 (40229159)
堀川 貴司 慶應義塾大学, 附属研究所斯道文庫, 教授 (20229230)
|
キーワード | 中国文学 / 中国近世詩学 / 南宋江湖詩派 / 比較詩学 / 市民文学 / 地域文化 / 出版文化 / 日本における受容 |
研究概要 |
本年度は初年度であるので、共同研究者各人がそれぞれの個別テーマに即して資料収集を進め、研究を深化させる一年と位置づけている。しかし、一部の研究者は、国際シンポジウムに出席し、すでに研究成果の一部を公表している。たとえば、9月半ば、中国河南省開封にて開催された「第七届中国宋代文学国際学術シンポジウム」には、4名のメンバー(内山、浅見、東、高橋)が参加し、それぞれ研究発表を行っている。このシンポジウムは、中国宋代文学学会の主催によるものであり、世界各国の宋代文学関連の研究者が集うため、もっとも発信力が大きい。なお、第八届は二年後、2013年に開催予定なので、それに向け、準備を種えたい. 計8名からなる本研究チームが全員酸化の形で行ったのは、12月26日に大阪大学において実施した「第一回南宋江湖詩派研究国際シンポジウム」である。「江湖派研究のパースペクティブ1というテーマを掲げ、我々研究チームからは2名(内山、堀川が、海外からは4名(張宏生、査屏球、陳廣宏、侯体健)が発表し、当該研究の可能性について、それぞれの立場から具体的な提言を行った。当日は、小雪の舞う、悪天候にもかかわらず、約30名ほどの参加者が得られ、活発な意見交換もなされて、実り多き学術交流を実現できた。南宋江湖派をテーマに掲げるシンポジウムは、日本のみならず、中国においてもまったく開催されていない。したがって、世界で初の試みということになる。来年度にも第二回の国際シンポジウムを開催する予定である。 また、本年度の研究成果の一部は、『江湖派研究』第2輯(江湖派研究会刊)にも掲載されている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は三力年の初年度に当たり、主として二つの目標を掲げていた。その一つは、研究者がそれぞれの関心に基づき、当該の対象に対する専門知を蓄積し問題を具体化すること、他の一つは国際シンポジウムを開催し、海外の研究者と連携を図り、問題を共育することであった。前者については、概ね順調に進んでいる。後者についても、予定通り実施することができ、実りある学術交流を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
予算規模の縮小に伴い、申請時に予定していた国内合宿や海外調査等の経費を振り当てる余裕が十分ではなくなったが、前者については関連の学会や電子メール等を活用して、相互の連絡を密に保てるよう工夫していきたい。また、後者については、毎年の実施予定を三年間で一回のみの実施とすることによって、一度は実現させたいと考えている。なお、海外調査を実施する場合には、地元の研究機関と連携を図り、単なる調査旅行に終わらぬ工夫もしていきたい。
|