研究課題/領域番号 |
23320096
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岸江 信介 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (90271460)
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研究分担者 |
井上 史雄 明海大学, 外国語学部, 教授 (40011332)
田原 広史 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (30207211)
半沢 康 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10254822)
大橋 純一 いわき明星大学, 人文学部, 准教授 (20337273)
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キーワード | 方言音声 / 音声変化 / 地域差 / データベース化 / ヴァーチャル方言博物館 |
研究概要 |
本研究の目的は日本列島における諸方言音声の地域差と世代差に注目し、変化の実態を解明すると同時に進行中の変化の様相をとらえ、その音声を記録・保存することである。 23年度は日本列島の諸方言音声の47都道府県での各3世代(若・中・高年層)を対象とした収録調査のうち、大学生委託調査が西日本では計画どおり順調に進展し、近畿、中四国、九州各地方の各府県単位で約20地点、60名以上の方々の協力を得、音声収録調査を終えることができた。一方、東日本では東日本大震災の影響により東北地方のうち、岩手、宮城、福島の各県での調査が計画どおりに進められなかったが、その他の地域ではおおむね予定通り進めることができた。23年度に予定していた大学生委託調査は第一次調査であり、次年度の第二次調査(24年度前半)で計画どおり遅れを取り戻す予定である。 フィールドワークを中心としたパイロット調査は順調に進み、北海道をはじめ、三重、奈良、徳島、香川、愛媛など各県単位で実施し、成果が得られた。特に調査員の面接による収録調査では、香川県高松市~愛媛県愛南町間で各地教育委員会や公民館の協力のもと、約100名の各地の生え抜き話者の方々から音声・アクセントのご教示を得ることができた。これらのデータの編集作業を進めると同時に当地域に存する各種のアクセント体系の分析を音響音声学的な手法を交えつつ、進めはじめることができた。 第1次の面接によるパイロット調査で収録した音声資料をデータベース化に向けた整理も始めることも順調に進めることができている。今後は音声データの分析をはじめ、「ヴァーチャル方言博物館」の完成をめざし、音声収録調査を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本列島の諸方言音声の47都道府県の各3世代(若・中・高年層)を対象とした収録調査のうち、第1次の大学生委託調査が西日本では計画どおり順調に進展したが、東日本では東日本大震災の影響により東北地方各県でやや計画どおりに進められなかったところがある。面接によるパイロット調査はほぼ予定どおりに進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
全国各地の方言音声の分布と世代差を明らかにするための音声調査を継続して進めるとともにこれらのデータを利用して音声・音韻・アクセントの分析を進める。本年度は出雲地方-能登半島間の漁村、奄美大島の各集落を対象とした母音収集のためのフィールド調査を通じで、日本列島の母音のバリエーションの分析を実地する。並行して全国諸方言音声データベースの構築の準備を進める予定である。
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