研究課題/領域番号 |
23320101
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
堀 正広 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20238778)
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研究分担者 |
地村 彰之 広島大学, 文学研究科, 教授 (00131409)
田畑 智司 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (10249873)
永崎 研宣 一般財団法人人文情報学研究所, 人文情報学研究部門, 人文情報学研究所 主席研究員/所長 (30343429)
高口 圭轉 安田女子大学, 文学部, 教授 (50195658)
島 美由紀(西尾美由紀) 近畿大学, 工学部, 講師 (50549524)
今林 修 広島大学, 文学研究科, 准教授 (90278987)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | レキシコン / デジタル / ディケンズ / イディオム / 電子テクスト / インターネット / 19世紀小説 / 18世紀小説 |
研究概要 |
本研究の目的は、平成20年度から22年度まで採択された科学研究費補助金「多機能搭載型電子版ディケンズレキシコン作成とその活用研究」の発展的研究で、新たな知見と方法によって研究をさらに深化させ、完成させることにある。新たな試みとしては、2つある。1つは、研究グループの強化である。ディケンズの言語・文体研究者3名とデジタル・アーカイブ構築およびWebアプリケーションの開発に豊富な経験を有する研究者1名を研究分担者に加えた。もう1つは、世界の多くの英語・英文学研究者に利便性の高い、世界初の高機能型レキシコンを提供することである。 平成24年度では、今年度末のインターネット上での公開を視野に入れ、レキシコンのWebインターフェイスのプロトタイプを開発した。今年度は次のような国外の学会で本研究の成果を部分的に発表した。 1)平成24年7月19日 Digital Humanities 2012, University of Hamburg, “Approaching Dickens’s Style through Random Forests”(発表者:田畑 智司) 2)平成24年8月12日 Dickens Fellowship Bicentennial International Conference 2012, University of Portsmouth, UK, “Digital Enhancements to the Dickens Lexicon”(発表者:田畑智司、今林修、西尾美由紀) 3)平成24年9月14日 Dickens Society 2012, University of Kent, UK, “Collocational and Idiomatic Creativity in The Pickwick Papers”(発表者:堀 正広)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度の末、つまり2014年3月には本研究課題であるDigital Dickens Lexiconをインターネット上で部分的に公開する予定である。そのために、平成24年度は次の3つのことを目標として研究を行った。 1つ目は、Webインターフェイスのプロトタイプを開発することであった。その目的を達成できた。ただ、デモ版としてのプロトタイプを作成したことによって、公開の際のさまざまな問題点が明らかになった。さまざまな問題点が浮上してくることは想定内ではあった。 2つ目は、国内外の学会で発表し、さまざまな研究者との交流を通して問題点や他の機能の可能性を探ることにあった。国外で数回発表を行ったのでこの目標は達成された。 3つ目は、できるだけ多くの作品の定義入力を済ませることであった。この点は計画通りにはいかなかった。そこで、今年度から新たな研究協力者を加えて定義入力をこれまで以上に円滑に行える予定である。 研究分担者及び研究協力者を加えた「発表会及び打ち合わせ」を今年度は予定通り3回行った。その結果、全員で進行状況を話し合い、さまざまな問題点を共有することができた。したがって、総合的には研究課題は、「おおむね順調に進展している」と言うことができる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度末にはWeb上で本研究課題の「高機能インターフェイスを備えたデジタルレキシコン」を部分的に公開する予定である。そのために、今年度は次のことを行う予定である。 1)18世紀と19世紀英国小説の電子テクストコーパスの完成。2)定義入力に関しては、チャールズ ディケンズの全作品のうち約半分の作品を終了させる。3)デモ版として作成したプロトタイプを改良して、高機能インターフェイスを備えたデジタルレキシコンを開発する。4)国内外の学会で本研究課題の成果を踏まえた研究発表を行う。5)これまで通り年3回の発表会と打ち合わせを行い、研究分担者及び研究協力者で進行状況や改善すべきさまざまな問題点を共有していく。
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