研究課題
2012年度は、録音と知覚テストを2回に分けて実施し、並行してデータの分析と処理を開始した。まず、2012年6月にはIPFCプロトコルに基づいた手法を用いて、39人分の日本語話者を対象として、Moodleソフトを用いて録音を行った。また、フランス語の鼻母音 /an, in, on/、流音 /l, r/、および唇子音/b, v/の知覚についてAXBタスクを使った知覚テストを行い、また被験者がフランス語の音節数を数え上げるタスクを実施した。さらに、カタカナに変換したフランス語のテクストの読み上げるタスクを加えた。2回目の録音およびテストは、2013年2月に行った。上記と同様のプロトコルに基づいた録音および知覚テストを実施したが、フランス語テクストをカタカナ変換したものを読み上げるタスクは二回目は行わず、その代わりとしてフランス語母音の/u-y/の弁別ができるかどうかの知覚テストを実施した。27人の学生がインフォーマントとして参加した。フランス語データのコーディングのポイントは大きく分けて、(1)フランス語のターゲット音声要素、(2)要素の左右の音韻環境、(3)非母語話者発話音声の特徴(ターゲットの音声に近いか否か、母語話者と同じ音声特徴の有無など)、の抽出である。Praatソフトウェアを用い、各音声ファイルごとに、Textgridファイルに音声波形に一致する単語列を記述した。そして、フランス語母語話者が統一コード基準に沿って、音を聞き聴覚的に音素を判断し、アルファベットと数字の記号を用いて、手動でコードを記述した。またこの科研研究のため、コーディングされたデータの自動分析処理及び統計処理のために、Julien Eychenne氏に依頼し、Dolmenソフトウェアを書いてもらった。
2: おおむね順調に進展している
収集したデータ数は豊富であるが、一方で分析を行うための協力者不足という問題点がある。このため、分析する対象を限定することとする
来年度は、発話実験と知覚実験をそれぞれ二回にわたり行い、さらにデータコーディング、Dolmenソフトウェアを用いたデータ分析のためのツールの開発を行う予定である。
すべて 2012 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (18件) (うち招待講演 7件) 備考 (2件)
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