研究課題/領域番号 |
23320124
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
門田 修平 関西学院大学, 法学部, 教授 (20191984)
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研究分担者 |
野呂 忠司 愛知学院大学, 文学部, 教授 (40218376)
長谷 尚弥 関西学院大学, 国際学部, 教授 (50309407)
中野 陽子 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20380298)
氏木 道人 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (20369680)
風井 浩志 関西学院大学, 理工学研究科, 専門技術員 (80388719)
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キーワード | シャドーイング / 内的リハーサル / リスニング / NTRS / 近赤外線分光法測定装置 / 英文読解 / 酸化ヘモグロビン / 脳内処理プロセス |
研究概要 |
次の2つの実験研究から、英語シャドーイング(shadowing)のトレーニングにより、日本人英語学習者による英文テキストの内的リハーサル(subvocal rehearsal:内的音読)にどのような質的な影響を与えるか検証する。 <実験1>なぞり読みによる内的リハーサルの行動実験 (1)主な検討課題 シャドーイングおよびリスニング(listening)のトレーニングを行うことが、それぞれ、学習者の英文テキスト読解における内的リハーサルにどのような影響を与えるか、読解にかけた時間や1分間の読速度等の点から検証する。 (2)主な結果 行動実験により、リスニングと比べて、シャドーイングの方が、内的リハーサルの速度などその質を向上させることがわかった。このことは、シャドーイングによる潜在記憶形成(潜在学習)効果の可能性を示唆するものである。 <実験2>NIRS(近赤外線分光法測定装置)による脳内処理実験 (1)主な検討課題 (1)シャドーイング、内的リハーサル、リスニング時の脳内処理プロセスの仕組みについて、NIRSによる酸化ヘモグロビン量の計測により、検討する。 (2)リスニングとシャドーイングのトレーニングがそれぞれ、学習者の内的リハーサルにどのような影響を与えるか、その脳内処理プロセスの観点から、検討する。 この実験については、個別計測により、2012年3月末までに、計28名の協力者へのNIRSデータの収集が終了した。今後、そのデータ集計および解析を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験1:なぞり読みによる内的リハーサルの行動実験を実施し、データの集計・解析を行い、米国における学会発表まで行ったことで、行動実験については十分な成果が得られたと言える。また実験2:NIRS(近赤外線分光法測定装置)による脳内処理実験については、データの集計・解析はまだ完了していないものの、NIRS計測方法について十分に検討した上で、当初の予定した28名分の計測を完了できたことの意味は大きいと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
上記実験1行動実験については、既に主要なデータについての学会発表は完了したが、まだ内的リハーサルやシャドーイングデータ、および英語Placement Testなどの結果との相関分析は完了していない。まずは、この相関分析を実施して、今年中に国内学会で報告したいと考えている。 また、NIRSを使った実験2脳内処理実験については、今後、(1)使用可能データの峻別、(2)全脳的なNIRSデータの集計、(3)主要な大脳領域毎のNIRSデータ分析などを行って、シャドーイング、内的リハーサル、リスニング時の脳内処理プロセスや、シャドーイングのトレーニングによる内的リハーサルへの影響について検討することが必要である。
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