研究課題/領域番号 |
23320127
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
周藤 芳幸 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70252202)
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研究分担者 |
内田 杉彦 明倫短期大学, 歯科衛生士学科, 准教授 (00211772)
中野 智章 中部大学, 国際関係学部, 准教授 (90469627)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 文化変容 / ヘレニズム / エジプト / 東地中海 / プトレマイオス朝 / ナイル世界 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、これまで前3世紀を中心とするヘレニズム時代の中エジプトを対象として行ってきた在地社会の文化変容の諸相に関する研究成果を統合するとともに、それをナイル世界と地中海世界という二重の空間の中に再定位することによって、新たな研究の展望を拓くことを試みた。具体的には、単著『ナイル世界のヘレニズム エジプトとギリシアの遭遇』を名古屋大学出版会から公刊したが、そこではまずヘレニズム史研究の再構築に向けた近年の動向の総括から出発し、中エジプトにおける考古学的調査の経緯、ヘレニズム以前のエジプトにおけるギリシアとの文化交流の様相を概観した後、首都アレクサンドリアにおけるプトレマイオス王朝の表象戦略から在地社会の生業に見られる文化変容、そして在地社会と地中海世界との関係までを、独自の調査成果に基づいて幅広く論じた。とりわけ、在地社会が東地中海コイネー文化に融合するプロセスとメカニズムを、その主要な生業であったと考えられる採石場の記録から明らかにしたことは、この分野の研究の進展に大きく貢献するものと考えられる。また、これと並行して、これまでの研究成果を中エジプトの内部で相対化するために、アシュート・プロジェクトを率いるベルリン自由大学のヨヘム・カール博士と、研究交流の機会をもった。さらに、上記の研究成果の中から、特にプトレマイオス朝の支配者崇拝と神格化の問題をより広い比較史的なコンテクストから吟味するために、ギリシアの在アテネ・イギリス考古学研究所で行われた第三回日欧古代地中海世界コロキアムにおいて口頭発表を行い、研究成果の国際アカデミアへの発信にも努めた。この間、エジプトとギリシアで現地調査を継続し、年度末には公開シンポジウム「古代エジプトにおける宗教性と物質文化」を主催した。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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