研究課題/領域番号 |
23320129
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
佐々木 倫朗 大正大学, 文学部, 教授 (80280907)
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研究分担者 |
坂本 正仁 大正大学, 文学部, 教授 (00235186)
古川 元也 神奈川県立歴史博物館, その他部局等, その他 (60332392)
山澤 学 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (60361292)
山田 雄司 三重大学, 人文学部, 教授 (90314103)
三浦 龍昭 大正大学, 文学部, 講師 (10587299)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 史料学 / 大名権力 / 高野山 / 供養帳 |
研究概要 |
本研究は、金剛三昧院・桜池院等の史料を調査することにより、高野山の宿坊史料の全体像を提示し、地方大名家の供養帳の史料的性格を明らかにするとともに、大名家供養帳の成立が大名権力の確立と密接に関わっていることを考察することを目的とする。 上記の研究を行っていくために、平成24年度は、以下の調査を行った。金剛三昧院については、並行して経蔵保管史料の調査を重点的に行った。その結果、従来から存在が明かになっていた中世文書と共に、佐賀藩鍋島家・津藩藤堂家等と金剛三昧院の交渉を内容とする近世文書、さらに院自身に関する近代文書を多数確認し、その概要に関する調査及び近世文書に関しては詳細調査を行った。金剛三昧院では、平成23年度において特別書庫から519点の供養帳を確認しており、今回の調査で確認できた近世文書と併せて詳細に分析することを通して、大名家と院家の両者の交渉の中で作成される供養帳類の史料的性格を追求していくことができると考えられる。以後継続した分析を行っていくこととする。経蔵保管の史料については、その内容と量が豊富なため、調査状況は半分程度の調査にとどまっている。また経蔵保管の史料に関しては、未発見の中世文書を確認し、その翻刻・分析を行った。 桜池院については、諏訪・武田氏との関わりを中心としながら、近世に至っても継続する遺臣と宿坊の関係に注目しながら調査を実施した。具体的には、近世期の両者の連絡書翰を調査・分析して、その関係についての考察に努めた。また、貴重な戦国期の供養帳に関しては、翻刻を行い、その史料的性格を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定通り桜池院の調査については、順調に進めることができている。しかし、金剛三昧院については、平成23年度に特別書庫の供養帳の調査を行い、一定の研究を見通しをたてることができたが、24年度におこなった経蔵の調査では、経蔵に予想を上回る量の史料が収蔵されており、かつ質的にも中世文書等の慎重に取り扱わなければならない史料を収蔵しているため、調査については半分程度にとどまっている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定である金剛三昧院・桜池院等の調査を継続して実施し、整理・分析して成果の公開に努力する。特に膨大な量の史料を所蔵している金剛三昧院の調査を重点的にに行い、その史料の整理・分析に尽力して、研究の目的である大名家供養帳の史料的性格、宿坊と大名家との関係の分析を行う。
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